×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

07*(2/4)


結果から言うと、みょうじの弁当は普通に美味かった。もちろん、お世辞ではない。

多少、焦げていたりしたが…それもまた、俺の為に一生懸命作ってくれたんじゃなぁ〜と更にプラスに働いた。

量こそ、そこまで多くはなかったが食欲不振に陥っている俺からしたら、量もちょうど良くて有り難かった。



「ふふっ、今日は調子が良さそうでなにより」

「ふっ、朝に比べて随分と顔色がいいな」

「お陰様でな」

「みょうじさんの特製お弁当は、どうだった?」

「本当に俺の大好物ばっかりじゃった」

「当たり前だ。俺が教えたからな」

「じゃと思った」



してやったりと嬉しそうに笑う幸村と参謀に感謝をしつつも、やっぱりこういう事に慣れてないので色々と恥ずかしい。

それにしても、幸村と参謀はみょうじに一体なんてを話したんじゃろうか。いくら俺が、食欲不振でヘバッてるって言っても…普通に弁当は作って来ないんじゃないか?

いやまぁ、俺からしたら思いもよらないサプライズで、嬉しかったからいいんじゃが。



「ふふっ。みょうじさんてさ、嫌な事だとどんなに頼まれても絶対に断るんだよね」

「そうらしいのぅ。柳生から聞いたぜよ」

「でも仁王にお弁当作って欲しいって言ったら、すんなり頷いてくれたんだよね」

「き、気まぐれじゃろ。ちゅーか、そんなストレートに頼んだんか!」

「みょうじには、遠回しに言うよりストレートに頼んだ方がいい。もちろん、事情は説明したぞ?」



いや、そこはまぁ…みょうじから"ご飯食べれてないって聞いた"と言われたから知っちょるが、なんというか…複雑じゃ。

みょうじに体力がない奴じゃと思われたかも知れんし、あんまりいい印象じゃないじゃろ。

じゃが、あのみょうじの性格的に同情とか仕方なくって事はないじゃろうから、そこは素直に嬉しい。



「ふふふ、青春だねぇ〜」

「あのみょうじにしては、仁王の事を気にしてるみたいだしな。期待してもいいんじゃないか?」

「おまん等…俺をからかいたいだけじゃろ」

「まっさかぁ。ただ、あのみょうじさんとあの仁王って組み合わせが新鮮で」

「あのって言うんじゃなか」

「変わり者のみょうじと女子が苦手な仁王。これならいいか?」

「いや、そういう事じゃないんじゃが…」



まぁ、幸村と参謀には色々と世話にはなっちょるが…さすがにこうもからかわれると恥ずかしくもなる。

もちろん、幸村も参謀も楽しんではいるが…俺の為にと色々とやってくれちょるんはわかっとるんじゃが。

やっぱり慣れないナリ。


prev|next

[戻る]