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無事に部活が終わり、みょうじの家に向かう。さっき柳生から聞いたんじゃが、いつもは担任から預かったプリントはクラスの女子に頼んで、みょうじん家に届けて貰ってたらしい。
じゃが、今回は俺がみょうじを気にしてるのを知ったのもあるが、少しでも仲良くなれればとそのまま預かってたらしい。
もちろん、俺に断られてたら自分で行くつもりだったみたいじゃが。
そしてみょうじん家のインターホンを押して、みょうじの祖母に事情を話してプリントを渡すが…またしても中へ招かれてしまい、まさかのみょうじの部屋に入る事が出来た。
「わざわざ、ありがとーね。におーくん」
「気にせんでええ。それより、体調はどうなんじゃ?」
「いっぱい寝たからもう大丈夫だよ。熱も下がったし」
「ほーか、ならよか」
「あたし寝るの大好きだけど、1日寝てるのは退屈だった〜」
布団に入りながらヘラりと笑っているみょうじの顔色は、昨日と比べてかなり良くなっていて安心した。
それにしても、まさかみょうじの部屋に入れるとは思わんかったぜよ。
軽く回りを見渡すと和室ながら、かなり女の子らしい部屋だと思う。異性の部屋とか姉貴以外に見た事がないから…ようわからんけど。
そしてそんな俺を気にする事もなく、みょうじがプリントに目を通している。
「みょうじは、参加するんか?」
「うん!部活には入ってないけど、参加するよ!」
「ほーか」
「におーくんは?」
「多分、参加するぜよ」
「そっかぁ!」
「まぁ、俺達はその前に全国大会があるじゃがな」
みょうじが部活に入ってないのはなんとなくわかっとったが、やっぱり入ってなかったんじゃな。
それにしても、俺に参加の有無を聞いてくれたって事はそれなりに気に掛けてくれとるって事かのぅ。
前よりかは、みょうじと話すようになったが…まだまだ性格を把握しきれてないからの。
へらりと笑いながら、俺を見上げるみょうじに思わず釣られて笑ってしまう。なんちゅーか、不思議とこの顔に安心するぜよ。
「全国大会、観に来るか?」
「ん、行けるの?」
「会場なら教えるちゃるよ?」
「そっかぁ!なら、行こうかな!」
「じゃけど、大会は連日じゃけん。来れる日でええよ」
「ん〜、じゃあ決勝戦に観に行くね! それなら1日だよね?」
凄い勢いぶっ込まれた。つまり、みょうじに試合を観て貰うには決勝まで勝ち残らなきゃならない訳じゃ。
まぁ、最初からそのつもりじゃったが…こうもあっけらかんに言われると、プレッシャーもクソもないな。
むしろ、俺等は優勝するつもりじゃからな。なにも問題ない。
そして、みょうじの言葉に頷くといつも通り嬉しそうに笑った。
※数分後
(よかったら、ご飯も食べて行きなさい)
(え、いや…)
(におーくんが嫌じゃなかったら食べて行きなよ〜)
(じゃ、じゃあ…いただきます)
(親御さんには連絡しとくんだよ)
(はい)
(おばあちゃん、今日はなに〜?)
(ん?今日はなまえの好きなものだよ)
(やったぁ!におーくん、早く行こう!)
(お、おう)
(口に合えばいいんだけどねぇ)
※食事中は借りて来た猫状態の仁王だった
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