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授業が終わってから、すぐに保健室へと向かった。ブンちゃんには、部活に遅れるという事を幸村に伝える様にお願いしといた。もちろん、理由は話しといた。
そして保健室に着くと、ちょうどみょうじが友達から鞄を受け取ってるところじゃった。
「じゃあ、なまえちゃん気を付けて帰ってね」
「わざわざ、ありがとね。部活頑張ってね〜」
「なまえちゃんは、ゆっくり休むんだよー!じゃあね!」
どうやら、本当にクラスメイトとは仲良くやっとるみたいじゃな。
そしてそのクラスメイトは、俺がいる事に少し驚いていた様じゃが、特に何も言う事なく保健室から出て行った。
とりあえず、まだ顔は赤いが少し休んである程度は熱が落ち着いたのか、口調はしっかりしとるな。
「あ、におーくんだ。えーと、保健室まで運んでくれてありがとね」
「別に構わんぜよ。それより帰れるんか?」
「うん、大丈夫だよ〜。先生も早く帰って、休みなさいって言ってたし」
「その先生は、どうしたんじゃ?」
「会議があるから〜ってさっき職員室に行ったよ?」
「ほーか。なら、俺が家まで送るぜよ」
「えっ?」
正直、放課後に保険医が家まで送って行くのかと思っとったが、会議があるなら仕方ないぜよ。
それに歩いて帰るんはみょうじは辛いかもしれんが、俺からしたら一緒に帰る口実にもなるしのぅ。
とりあえず、不思議そうに頭を傾げとるみょうじの頭を軽く撫でると微かに触れたおでこがまだ熱かった。
「まだ熱あるみたいじゃし、1人じゃ心配ナリ。送らせてくれんか?」
「ん〜…わかった!」
「じゃあ帰るぜよ」
「はぁい」
少し考える素振りを見せたが、嫌そうな感じじゃなくてよかったナリ。まぁ、無理強いはしたくなかったから、断られたら引き下がる予定じゃったけど。
とりあえず、みょうじの隣を歩いちょるが…本当に体調が悪いんじゃろうな。いつも以上にゆっくりと歩いとるし、少しふらいちょる。
というか、こんな状態でなんで学校に来たんじゃ。
もしかして、家にいたくないとかそういう理由で無理して学校に来たんか?迎えに来て貰わないのもそうじゃが、親と仲が悪いんかもしれんな。
「お前さん、無理して学校に来たんじゃろ?」
「え、うーん。無理したつもりじゃないんだけどね?」
「休みたくなかったんか?」
「おばあちゃん達に心配掛けたくないなぁ〜って」
「おばあちゃん?」
「うん。お母さんとお父さんは海外に行ってて、今はおばあちゃん家で一緒に住んでるの」
なるほどな。だから、迎えに来れる人がいないって言ったのか。別に親と仲が悪い訳じゃないんじゃな。
まぁ、確かに…おばあちゃんってもんは、えらい心配するもんじゃし。みょうじが、学校を休まなかった気持ちもわかるナリ。
とりあえず、今日は早く帰ってゆっくり休ませんとな。
一緒に帰ってる途中
(そういえば、俺の事避けとったじゃろ)
(だって、におーくんも心配するし)
(当たり前じゃろ)
(見付かっちゃったけどね〜)
(無理して倒れたりしたらどうするんじゃ)
(ん〜…)
(倒れたりした方が心配するぜよ)
(今度から気を付ける…)
(そうしんしゃい)
(でもにおーくん、よく見付けたね)
(まぁの。もう隠れるんじゃなかよ)
(えぇ〜?)
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