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そしてなんだかんだで無事にプール練が終わり、レギュラーがプールから上がる。

しかし、みょうじは相変わらずプールで嬉しそうに泳いでいて跡部部長がハァ…と溜め息を吐きながら頭を抱えた。

毎度の事だが、みょうじは本当に自分の気が済むまで泳いでいる。というか、下校時刻ギリギリまで泳いでいるといった方が正しい。

まぁ、夜に忍び込んでまで泳ぎに来るくらいだからな。



「…ったく、程々にしておけよ」

「了解でーす」

「つーか、大丈夫大丈夫!昔っからみょうじは、いつもこうだったから!」

「毎度の事だが、お前等は待ってるとか一緒に残ったりしねぇのか」

「ん〜あんまりないかな。でもまぁ、みょうじなら信用出来るから大丈夫だって!」

「いや、俺様が言ってるのはそういう事じゃなくてだな」



水泳部の先輩達は、相変わらず能天気というかなんというか。そんな水泳部の先輩達をよそに跡部部長が天窓を見上げているのを見る限りみょうじを心配してるんだろう。

でもみょうじは、夜に忍び込んで散々泳いだ挙げ句…普通に1人で帰るくらいだからな。

チラリとみょうじを見れば幸せそうにゆらゆらと泳いでいた。泳いでいるというより、ただぷかぷかして遊んでるようにも見えるが。

それにしてもさすがに毎度毎度、みょうじを1人で残して帰るのを気に掛かけていただけに跡部部長がまた俺様は残るとか言い出しそうなので、先に言わせて貰おう。



「跡部部長」

「アーン?どうした」

「今日は俺が残るんで、跡部部長は帰っても大丈夫です」

「…フッ、ならお前に任せる。それと、言い出したからにはちゃんと家まで送ってやれ」

「そういう跡部部長は、断られたんじゃなかったんですか」

「うるせぇ。まぁ、無理矢理帰してまた忍び込まれても困るからな」

「ちょ、跡部っ!シッー!それ言うなって言っただろ!」

「アーン?まず、それを黙認してるどころか許可してるお前がおかしいんだよ」



跡部部長の言葉に一瞬驚くが、水泳部の先輩の反応を見る限り、ただ口を滑らせてみょうじが夜に忍び込んでる事を言っただけみたいだな。

それに跡部部長が言ってる事は正しい。普通は、止める側でなくちゃいけない部長が鍵まで預けて夜に泳ぐのを許可してる方がおかしい。

でも、まぁ…そのお蔭で俺はみょうじとこうして関わる様になれたんだがな。



「いや、だってよ!活動停止になった時にみょうじが泣きそうな顔でもうこのプールで泳げないんですか?って言うから…」

「確かに、アレは結構ヤバかったよねぇ〜」

「まぁ、夜に忍び込んで〜って言い出したのみょうじなんだけどね」

「ハァ…お前等、水泳部は揃いも揃ってバカだな」

「おう!否定はしないぜ!」

「…まぁ、いい。じゃあ日吉、俺様達は帰るが何かあれば連絡しろ」

「わかりました」



相変わらず、水泳部の先輩達は呑気に笑っていて跡部部長が溜め息を吐きながら帰るぞなんて言いながら連れていった。

でもまぁ…なんだかんだで、あの跡部部長と仲が良いみたいで何よりだ。


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