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05*(3/4)


授業中という事もあり、騒がれる事なく無事に保健室に着き、すぐに保険医に熱がある事を伝えた。

そしてみょうじをベッドに寝かせる様に言われ、ゆっくりとベッドに下ろした。



「みょうじ、大丈夫か?」

「ん〜…大丈夫」

「はい、これ体温計ね。仁王くんは、付き添いよね?」

「まぁ、そんなところナリ」

「みょうじさん、あんまり熱が高いようなら迎えに来て貰って、帰る事も出来るけど」

「ん、大丈夫です…」



どうしても家に帰りたくないのか、みょうじは"大丈夫です"の一点張りじゃった。

そして体温計が鳴ったはいいが、かなりの熱らしく保険医の表情が険しい。

その間にも、みょうじは"大丈夫です"と言い続けている。どう見ても、大丈夫ではなさそうじゃが。



「家に帰りたくないの?」

「ううん。迎えに来れる人、いないから」

「あら…そうなの?」

「だから大丈夫です」

「そうねぇ…こんだけ熱が高いと1人で帰すのも心配だし。気休めだけど、授業終わるまで休んでる?」

「ん〜…そうします」



とりあえず、みょうじは家に帰らずに授業が終わるまで保健室で休む事になった。

確かに、このまま帰すよりかは、少し休んでから帰す方がまだ安心かもしれん。それに、授業が終われば友達と一緒に帰るかもしれんしな。

そして、保険医に俺が授業に戻る様に言われると、真っ赤な顔をしたみょうじがすまなそうに"ごめんね"と小さく呟いた。



「そこは、ごめんよりありがとじゃろ」

「ん…ありがとう」

「また授業終わったら来るナリ」

「大丈夫だよ」

「お前さんの大丈夫は、聞き飽きたぜよ。とりあえず、ゆっくり寝ときんしゃい」

「は〜い…」



不満そうに返事をするみょうじの頭をよしよしと撫でてから、保健室を後にした。

もしかして、昨日からみょうじの姿が見えんかったのは、調子が悪いのを俺に知られたくなかったからかのぅ?

前に俺がみょうじを心配したから、俺に心配されたくなくて避けとった可能性があるぜよ。

とりあえず、授業が終わってからまた聞きに来ればいいか。さすがのみょうじも、あの熱でふらふらせんじゃろうし。


それにしても、迎えに来れる人がいないって…親が忙しいんかのぅ。

じゃが、子供が熱があるってなったら迎えに来るくらいしてくれそうじゃが。

まぁ、俺ん家も共働きじゃから迎えに来てくれと、頼みにくいのはわかるがな。


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