05*(2/4)
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パッと思い付く場所を探してみたが、結果だけ言うなればまるで見付からない。
みょうじが授業をサボっとる事は、既に柳生に確認済みじゃし。本当にどこにいるんじゃろうか。
・・・・・。
もし、自分がみょうじで…他の人が知らない上に誰にも見付からない場所…
ん〜…あそこかのぅ。
とりあえず、普通の女子ならサボるどころか必要最小限しか訪れない場所。むしろ、普通のヤツはこんな場所でサボろうとはせんが…
そして、チラリと見えるオレンジ色の髪に心の中で小さくガッツポーズをしながらみょうじがいる事を確信した。
ゆっくりと足音を立てないように忍び足でみょうじに近付くと、何故かピクリとオレンジの髪が揺れるとゴミ倉庫の陰からみょうじが顔を出した。
「・・・におーくん?」
「髪の毛、見えとったぜよ」
「・・・え、あぁ〜そっかぁ」
「お前さん、こんな場所でもサボるんか」
「う〜ん…?ここ人が来ないし、校舎から離れてるから静かだよ〜」
確かに、ここには掃除当番の奴が来るくらいで滅多な事がない限り人は来ないじゃろう。そもそも、ゴミ倉庫なんて好き好んで来るような場所じゃないからのぅ。
まぁ、みょうじの場合も別に好き好んで来とる訳じゃないんじゃろうけど。ただ、静かにサボれるからここでいいかみたいな乗りじゃろうし。
いや、それよりも…いつもの様にへらりと笑っているみょうじの顔が無駄に赤いのが気になる。
「お前さん、暑いんか?」
「・・・ん?」
俺の問いに、不思議そうな顔をしているみょうじのオデコにゆっくりと触れる。
その瞬間、思わず目を見開く。
どう考えても熱い。というか、普通に考えたらヤバいレベルで熱い。
しかしみょうじは、何故か俺にオデコに手を当てられたまま目を瞑っていた。
「お前さん、熱あるぜよ!」
「ん〜…そうなのか〜」
「どっか具合悪くないんか?」
「ん〜…なんか頭がふわふわする〜」
「保健室に連れて行くぜよ」
「えぇ…大丈夫だよ?」
真っ赤な顔をして頭を傾げるみょうじに"ダメじゃ"とゆっくりと腕を引くが熱があるせいか、ふらりとみょうじがよろけて咄嗟に支える。
こやつ、まともに立てんレベルの熱があるのに、こんなところに1人でおったんか。
俺の腕の中でぐったりとしたままのみょうじのブレザーを脱いで掛けてから、ゆっくりと横抱きをした。
そしてみょうじを抱えて、急いで保健室へと向かった。
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