04*(4/4)
色々と複雑に考え過ぎて、みょうじの頭に手を置いたままでいるとみょうじが不思議そうに顔を傾げるとへらりと笑った。
「におーくんは、もっと素直になっていいと思うよ」
「なんじゃ…突然」
「幸村くんが言ってた!におーくんは、周りに合わせて本当の自分を出せないから可哀想なんだよって!」
「か、可哀想って…」
「だって、におーくんっていつも難しい顔してて楽しくなさそうだもん」
・・・直球過ぎる。
あからさまにデッドボールを狙ってぶつけに来てるくらい、強烈に痛いんじゃが。
確かに、普段はつまらなそうな顔をしとるかもしれんが…部活はそれなりに楽しんどる。
それにみょうじといる時も普段に比べたら、素でいたつもりだったんじゃが…。
つまり、みょうじは俺といても楽しくないって事なんじゃろうか。
「お前さんは、俺とこうして一緒におるんはつまらんか?」
「んっ?全然!!」
「俺もじゃ。お前さんと一緒におるんは…なんというか、嫌じゃないぜよ」
「へへへっ〜そっか!」
「それにお前さんとおると変に気を張らんで済む。お前さんは、俺に変な期待をしとらんじゃろ?」
「そんな事ないよ!してるよ!」
「なんじゃと?」
「におーくんは、いつ笑ってくれるのかなーって!」
今度は、ジャブかと思ったら右ストレートを食らった。
へらりと笑いながら、サラッとそんな事を言うみょうじに思わず顔を押さえた。
というか、こやつはそんな事を期待しとったんか。確かに、部活中やブンちゃん達を相手にしてる時くらいしか笑ったりはせんが…
「あたしといる時に笑ってほしいなーって!どうかな?」
「…なっ、お前さん…確信犯か」
「へへっ…におーくんの照れ笑いもーらいっ!」
「…お前さん、実はかなり策士じゃろ」
「ん〜どうかなぁ?」
そんな事を言いつつ、へへへ〜と悪戯っ子の様に笑うみょうじは、本当に嬉しそうだ。
幸村か参謀の入れ知恵なのか、はたまたみょうじが本当に策士なのかはわからんが、どうやら俺はみょうじにまんまとやられたらしい。
普段、女子の前でこんな醜態を晒した事がないだけに恥ずかしいやら悔しいやらで困惑する俺に、みょうじがへらりと笑いながら俺の頭を軽く撫でた。
なんかもう、好き放題やられ過ぎじゃろ…俺。
(におーくん、いいこいいこ)
(・・・・・)
(大人しいねこさんみたい)
(お前さんは、不思議な奴じゃな)
(え〜?そんな事ないよ?)
(そこは自覚ないんじゃな)
(・・・?好きな様にしてるだけだもん)
(じゃあ俺もそうするナリ)
(うん!そうした方がいいよ!)
(・・・お前さんは、本当に天然なのかわざとなのかわからん)
(におーくんは、わかりやすいよ!)
(…そんなはずないんじゃがな)
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