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そして着いたのは、屋上。

いつも、みょうじと一緒にサボる時は校舎裏じゃったから屋上でサボるんは初めてじゃ。

とりあえず、いつもの場所に座るとみょうじが不思議そうな顔をして頭を傾げた。



「におーくん、怒ってる?」

「怒っとる」

「えっ!あたし、なんかしたかな?もしかして、いちご牛乳嫌いだった?」

「いちご牛乳は嬉しかったぜよ。じゃなくて、階段から落ちたって話じゃ」

「ん、大丈夫だって言ったよ?」



いくらなんでも階段から落ちるのと、その辺で転ぶのとは規模が違う。もちろん、普通に転ぶのも危険じゃが階段から落ちる方が俄然危険じゃ。

しかも真田から逃げてる最中って事は、少なからず真田にも非はある。

とりあえず、不思議そうな顔をして頭を傾げとるみょうじの膝を指差すと眉を下げた。



「う、うぅ〜ん。これは…」

「怪我したんじゃろ?」

「でも本当に大丈夫だよ?」

「俺が嫌なんじゃよ。それでもなく、お前さんはよく怪我をするんじゃし」

「ん…ごめんね?」

「いつか、お前さんが大怪我でもするじゃないかって不安になるんじゃよ」



しょんぼりと眉を下げながら、すまなそうに俺を見つめるみょうじになんだか、複雑な気分になる。

そもそも、俺にそんな事を言われる筋合いはない訳じゃし。じゃから、みょうじが謝る必要はないんじゃがな。俺が勝手に心配して、不安になっとるだけじゃからのぅ。

未だにすまなそうに眉を下げているみょうじに気を付けんしゃいと頭を撫でようと腕を伸ばすが、ふと腕を止めた。

な、撫でていいんじゃろうか。余りにもしょんぼりとしとるから、軽く撫でようと思ったんじゃが…嫌がられるんじゃないじゃろうか。

そんな事を考えながら変な格好のまま固まっていると、みょうじが俺の腕を掴むと自分の頭に乗せた。



「ちょ、お前さん…」

「えっ?頭撫でてくれ様としたんじゃないの?」

「い、いや…まぁそうじゃが。嫌じゃないんか?」

「・・・?あたし、頭撫でられるの好きだよ?」

「いや、そうじゃなっ…ならいいんじゃが」

「へへへっ〜。におーくんに撫でられるの初めてなのに、なんか嬉しいなぁ」



・・・・・。

なんというか、こやつといると本当に調子が狂うナリ。正直、俺の悪い噂は結構あるが良い噂はほとんどない。じゃから、こうして純粋に笑顔を向けられる事はそうない。

もちろん、俺が余り関わらない様にしてるのも原因じゃが。


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