04*キミとかくれんぼ(1/4)
あの日を境にみょうじとたまにサボる様になった。もちろん、体育の授業終わりじゃなきゃなかなか会えんから俺から声を掛けとるんじゃが…
「は?えっ、お前…まさかみょうじに惚れたとか言わねぇよな?」
「なんでそうなるんじゃ」
「だってお前、今まで女子の事とか気にした事ねぇじゃん。しかも最近、一緒にサボってんだろぃ?」
「それがなんじゃ」
「真田とはまた違うけど、お前も女子苦手じゃん。なのに、自分から会いに行ってるし。好きなんじゃねぇーの?」
その言い方はやめて欲しいが、否定出来んのが悔しい。
女子苦手というか、女子の扱い方がよくわからんというのが正しい。じゃから、軽い相槌を打つくらいなら出来るんじゃが…ガンガン話し掛けられると逃げ出す感じじゃ。
すぐに怒り出すし、かと思えば泣き出すしで本当に扱いに困る。
そんなこんなで女子を避ける様にしとったら、クールだの一匹狼だの色々と言われる様になっとった。
「まぁ、みょうじは女子って感じしねぇからなぁ。天然ボケの不思議ちゃんだし」
「そうでもなかよ」
「やっぱり好きなんじゃねぇか」
「変わった奴じゃが、素直でいい奴じゃ。俺の事を真顔で優しいって言うたくらいぜよ」
「マジかよ。つーか、お前は見た目で色々誤解されてるよな。別にクールでもなんでもねぇし、むしろ世話焼きだし」
世話焼きは余計じゃ。
そして見た目のダメ出しをサラッとするんもやめんしゃい。地味に傷付いた。
と、まぁ…俺は周りの女子が思ってる様な男ではない。ブンちゃんが言う通り、見た目のせいで色々と大人っぽいとか言われるが俺もただの中学生じゃ。
じゃから、周りに流されずに素の自分を認めてくれる人に好意を寄せるのは仕方がないと思うぜよ。
「みょうじは、俺を見てくれじゃなく中身を見てくれるナリ」
「ベタ惚れかよぃ」
「すぐに名前も覚えてくれてたナリ」
「俺への当て付けやめろ」
「最近は、またサボろうねって言うてくれる様になったぜよ」
「ただのサボり仲間と思われてるだけじゃね?そもそも、サボる時以外に会わないんだろぃ?」
確かにブンちゃんの言う通り、ただのサボり仲間と思われてるかもしれんが、今はそれでもいいぜよ。
そもそも、ガンガン攻めようもんなら、それこそ猫のようにみょうじは逃げ出しそうじゃし。せっかく、一緒にサボるのを許してくれとるのにそれすら失うのは辛い。
というのも、みょうじとはクラスも違えば会いたい時に会える訳じゃないからの。
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