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そしてまたしても跡部部長がみょうじ!勝負しやがれ!とバスタオルを投げるとみょうじを指差す。



「アハハ!跡部も懲りねぇなぁ。うちのスーパーエースだったみょうじに勝てる訳ねぇって!」

「うるせぇ!俺様は負けっぱなしは嫌いなんだよ!」

「そして跡部がみょうじに勝てる日は来ないのであった」

「まぁ、だろうな!それで今日は何で勝負すんだよ?」

「フンッ…バタフライだ!」

「はい、跡部の負けー!絶対に勝てませーん!」



水泳部の先輩達は、既に跡部部長の負けを確信しているらしくドンマイ!まぁ頑張れよ!と肩を叩きながら笑っている。

まぁ、普通に考えれば水泳部にテニス部が水泳で勝てる訳ないと思うが…今回は、跡部部長は自信があるらしくみょうじに俺様の泳ぎに酔いな!とか言っている。

しかし残念ながらみょうじは、バタフライかぁ〜なんて呟きながら跡部部長の言葉をスルーしている。というか、聞こえてない様にも見える。



「ふふふ…日吉は、どっちが勝つと思う?」

「普通に考えたらみょうじじゃないですか?」

「ふふっ、だよね。相変わらず、跡部は負けず嫌いで困るよね」

「別にみょうじも嫌がってないですし、いいんじゃないですか?それに負けて悔しがってる跡部部長を見るのも面白いんで」

「みょうじさん、本当に泳ぐの好きだよね。日吉は、それを知ってたみたいだけど仲が良いの?」



個性的な先輩が多いテニス部の中で比較的にまともで、それなりに話をする滝さんがニコリと笑いながら俺の隣に座るとそんな事を聞いて来た。

仲が良いかと聞かれたら悪くはないが…良いとも言いがたいな。クラスは一緒だが、席も近くなければ話す事もほとんどないからな。

それに加えてみょうじは俺が女子を煩わしく思ってる事を知っているからか、あっちからも無駄に話し掛けて来る事もない。



「ふふふ、でも日吉が嫌な顔しない女の子って珍しいね」

「水泳の事になるとアレですけど、ギャーギャーと騒がしいタイプじゃないですから」

「ふふ、確かに。日吉を探しに屋上に来た時は、クールな子だなぁと思ったけど水泳の事になると小さい子供みたいになるよね、彼女」

「まぁ、魚みたいなヤツですよ」

「そこは女の子なんだから、人魚姫くらい言ってあげなよ」



クスクスと目を細めて笑う滝さんは、本当に人魚姫みたいに綺麗に泳ぐし、顔も可愛い方だし…ぴったりでしょ?と頭を傾げた。

滝さんの言葉に跡部部長とバタフライ勝負で今まさに泳いでいるみょうじを見ると、確かに人魚姫っていうのも強ち間違ってもないなとか思った。

ちなみに跡部部長は、普通に負けてた。そしていつも通りみょうじに負けて悔しそうな顔をしている跡部部長に気分はいいが、相手は水泳部のエースな訳だしそこまで悔しがる必要ないんじゃないかと思う。


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