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あの後、みょうじがテニス部について聞いてきたりしてなんだかんだで授業が終わるまで話をした。
ちなみにまともに名前を覚えられとったのは、幸村と柳生だけじゃった。写真を見せて名前を聞くと、ブンちゃんは赤い人でジャッカルは黒い人。赤也に関しては、誰?と言う始末じゃった。
真田は、さまだくんじゃし。
参謀は、いっぱい質問する人じゃからな。
しかもチャイムが鳴るなり、みょうじは何事もなかったかの様に敷いていたハンドタオルを取るとばいばーい!と手を振って走り去って行ってしまい、なんというか自由なヤツじゃ。
「それで、私のところへ?」
「みょうじと同じクラスじゃろ?」
「まぁ、確かにそうですが。これといって、仲が良い訳ではありませんよ?」
「でもよく話すんじゃろ?みょうじが名前覚えとったくらいじゃし」
「それは、真田くんの代わりに彼女に色々と注意をしているからでしょう。根は悪い方ではないのですが…少々扱いが難しいですからね、彼女」
「確かに、珍しいタイプみたいじゃのぅ」
「はい。いつも私の話はちゃんと聞いてくれるんですが、眠いのはどうにもならないんだぁ…ごめんね?といつも言われてしまい、どうにかならないかと困っているんですよ」
「素直過ぎか」
「えぇ…嘘でも、もう寝ないとかサボらない等は言わないんですよ彼女」
それは、真田にいつも怒られる訳じゃな。その場しのぎで嘘を付けばいいものを…素直に答えるとは、さすがじゃな。
むしろ、真田に対してはもはや話すら聞いとらんかったみたいじゃし。柳生の話は聞くがまるで意味がなく、また真田に怒られて〜柳生が代わりに〜っという無限ループになっとると。
そりゃあ、嫌でも名前は覚えるじゃろうな。まぁ、真田は間違って覚えとるが。
「クラスではどんな感じなんじゃ?」
「ほとんどの授業をサボっていて教室にいる事は少ないですが、よく周りの女子に声を掛けられて楽しそうにお話をしていますよ。ですが、特定の友人はいないみたいですよ」
「柳生から見て、どんなヤツじゃ?」
「どんな…ですか?少々変わったところがありますが、素直で可愛らしい方ですよ」
「まぁ、確かに素直じゃな」
「えぇ、基本ふわふわとした方ですが嫌な事は嫌と言える方ですし。しっかりした方だと思いますよ」
そう言いながら、眼鏡のブリッジを押さえる柳生はしかし授業をサボるのは余りよくありませんね…と付け加えると眉を下げた。
まぁ、クラスで浮いとる訳でもないみたいじゃし。それなりに人付き合いは出来るんか。正直、雰囲気的にあんまり人と関わらん感じがしたんじゃがな。
でも確かに、あやつといると警戒心が薄れていくのがわかったし、そう考えるとクラスの奴等と仲良く出来て当たり前か。
それにしても、やっぱりあやつは不思議なヤツじゃな。
自分のクラスにて
(おー、仁王。まぁた、サボってたのかよぃ)
(まぁ、ぼちぼちの)
(屋上?)
(いや、渡り廊下じゃ)
(は?渡り廊下?)
(案外、穴場じゃった)
(お前、もしかしてみょうじと知り合いなのかよぃ!?)
(なんじゃ、ブンちゃん知り合いなんか?)
(いや、知り合いっつーか…)
(もしや、幸村に遊ばれたんか)
(なんで知ってんだよぃ!!)
(いや、適当に言ったんじゃが)
(俺の事、なんか言ってたか?)
(いや、赤い人としか)
(あいつ、まだ名前覚えてねぇのかよぃ!!)
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