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正直、自分から話題を振るのは得意じゃなか。

というのも、基本的に俺に話し掛けて来る女子はそれなりに下心があるヤツばかりじゃから、ひっきりなしに俺の気を引こうと話題を出すんじゃが…

別にみょうじが俺の気を引く理由は、ないからのぅ。それにみょうじからしたら一緒にサボっとるヤツくらいにしか思っとらんじゃろうし。

うーん、このまま黙ったままだとみょうじが寝そうじゃ。いや、まぁ…別に寝てもくれてもいいんじゃが。



「あ、そーだ。におーくんは、よくサボるの?」

「え?あぁ…まぁ、ぼちぼちってところかのぅ」

「そっかぁ。校舎裏で会ったのにまたここでサボってるから大丈夫なのかなぁ〜って心配したの」

「そういうみょうじは大丈夫なんか?」

「あたし?あたしは、体育以外ならサボっても全然大丈夫だよ!」

「体育以外?」

「うん!体育は出席日数でポイント稼がないと大変なんだ〜」



あぁ、なるほど。

そういえば、参謀が言っとったなぁ…勉強は出来るが運動は壊滅的じゃって。

確かに、体育は筆記が出来るだけじゃ単位貰えんしのぅ。まぁ、その代わり授業にさえ出とれば最低ラインの単位は貰えるからサボれんって事か。

それにしても壊滅的ってどんなレベルなんじゃろ。ただの運動音痴なら多少サボってもそれなりに大丈夫なんじゃが。



「のぅ、みょうじ。先週のスポーツテストの結果は覚えとるか?」

「うん!ビリとか下から数えた方が早い順位ばっかりだよ!」

「それ、マジか?」

「え?うん!頑張ってもダメだった〜。あ、でも体は柔らかいよ!」



パッと見、かなりすばしっこそうなんじゃがなぁ。やっぱり、運動は本当に壊滅的みたいじゃな。まぁ、走ってすぐに転けるくらいじゃし。

それによく見たら膝には無数の絆創膏が貼られとるところを見ると、本当によく転ぶみたいじゃな。

まぁ、ただ転けるのは運動音痴というよりはドジなだけな気もするがのぅ。



「におーくんは、どうだったの?」

「ん、まぁ普通じゃな」

「ふつーかぁ。でもにおーくんは、脚速そうだよね!」

「そうか?」

「後、凄くジャンプしそう!でも体は柔らかくなさそう!」

「お前さんの中で、俺は一体どんなイメージなんじゃ」

「へへへ〜秘密!」



そう言いながら悪戯っ子の様に嬉しそうに笑うみょうじを、なんというか…普通に可愛いヤツじゃと思った。

ぽけ〜っとした顔ばっかり見とったせいかも知れんが、笑うと一気に印象が変わるぜよ。

なんとなく、幸村がペットとかなんとか言っとった理由がわかった。


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