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そういえば、名前を言ってなかった事に気付き、隣でぽけ〜っと空を見上げとるなまえに話し掛けるとゆっくりとこちらを向いた。

真田に怒られとる時は、アレじゃったが目を覚ましとる時は別に普通みたいじゃな。



「なぁに?」

「名前なんじゃが」

「あたしの?みょうじなまえだよ。よろしくね」

「ん、俺は仁王雅治じゃ」

「におーくんかぁ。変わった名前だね〜」

「それと今更じゃが、俺はコート上の詐欺師であってピエロじゃなか」



本当に知らんかったんか。

におーくんはペテン師かぁ〜とかなんとかブツブツと呟いとるみょうじは、本当に覚えたのか眠たそうではないがぽけ〜っとした間抜け面じゃ。

それにしても、さっき真田と話してた時とはまるで違うナリ。いや、あれは話してたとは言わんか。

わざとか素なのか、あの喋り方はなかなか酷かったからのぅ。あれは、完全に真田をバカにしとる感じじゃったし。



「のぅ、みょうじ」

「ん?なぁに」

「さっき、さまだに怒られとる時の事は覚えとるんか?」

「え?うーん、さまだくんがうるさかった事しか覚えてないかなぁ」

「何を言われたのかも、自分がなんて言うたかも覚えとらんのか?」

「うん、半分くらい寝てたもん」



・・・なるほど。

無意識の上であの態度で真田を相手にするとはさすがじゃな。それにしても、本当にさまだくんで定着しとるみたいじゃな。まぁ、面白いから別にええけど。

とりあえず、俺がいるからなのか眠らずにぽけ〜っとした顔でまた空を見上げとるみょうじは、やっぱり今まで関わった事のないタイプじゃ。

猫なで声で媚びを売る訳でもなく、そんな女子から恨まれたくないと関わりたくないオーラを出す訳でもなく、ただ普通に接しとる。

それに話題こそ振らんがそれなりに会話はしてくれとるし。嫌がってる様子もなく、無理して合わせとる訳でもなさそうじゃ。



「幸村とは仲が良いんか?」

「幸村くん?んーとね、たまに一緒にお花に水をくれてるんだ。その時に話すくらい?かな?」

「ほぅ。じゃあ参謀…柳とは、知り合いなんか?」

「やなぎ?えーと、誰だろ」

「幸村と同じクラスで糸目の黒髪でノートをいつも持っとるんじゃが」

「あぁ!幸村くんとよくいる人だ!なんかいっぱい質問する人!」



名前を覚えとらんって事は、参謀はそこまで仲が良い訳じゃないみたいじゃな。まぁ、こやつの事じゃから忘れただけかも知れんが。

しかも質問する人って…いや、まぁ間違っとらんか。


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