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どうやら、みょうじはそれなりに有名な人物だったらしい。もちろん、悪い意味じゃないらしいが…良い訳でも無さげじゃな。
そして、何があったの?と興味津々気に聞いてくる幸村になんでもないと逃げ切れる訳がないので、仕方なく校舎裏での出来事を話した。
「アハハ、それ完全にみょうじさんだね。俺も前に似た様な事言われたし」
「俺は、まだしも…幸村がか?」
「神の人ー!って言われたよ。思わず、神なのか人なのかどっちなんだろ?って不思議に思ったよ」
「うむ、みょうじは少しズレているところがあるからな」
「つまり、頭が緩いヤツか」
「確かに緩いには緩いが、頭はかなり良いぞ。まぁ、運動は壊滅的だが」
ほぅ、参謀に頭が良いって言われるくらいじゃから、本当に頭は良いんじゃろうな。
そういえば、校舎裏から去る時も鈍臭く転けとったし…確かに運動は得意では無さそうじゃな。
それにしても…幸村も参謀もヤケにみょうじってヤツに詳しいのぅ。クラスじゃなくて委員会が一緒って言ったって事は、クラスは違うじゃろうし。
「ふふっ、珍しく難しそうな顔しちゃって。そんなに気になるなら柳生に聞いてみたら?」
「なんで柳生なんじゃ?」
「柳生は、みょうじと同じクラスだ。普段の様子などは、柳生の方が知ってるだろう」
「まぁ、みょうじさんの事だから正直いつも通りぽけ〜っとしてて授業とか聞いてなさそうだけどね」
「もしくは、教室にいないだろうな」
「ふふっ、みょうじさんサボり魔でも有名だしね」
まさかのサボり魔で有名って…俺もよくサボる方じゃが、全然聞いた事ないんじゃが。むしろ、みょうじに会ったんは今日が初めてじゃし。
まぁ、俺がサボるんは屋上か中庭の特定な場所じゃし、人と会う事がまずないからのぅ。たまに一緒にサボるメンバーも限られとるし。
そう考えるとみょうじは、いつもあの校舎裏でサボっとる訳じゃないみたいじゃな。たまにあそこには、行くしのぅ。
「でも仁王がみょうじさんに興味持つのも無理ないけどね。俺も最初、興味持ったし」
「精市の場合は、ペット感覚だろう?」
「でもみょうじさんは、全然懐かないペットだから」
「ふっ、確かにアレは懐かないだろうな」
「ふふっ、まぁ仁王も話せばわかるって。それに、いい意味で懐かないって意味だから」
「懐くに良いも悪いもないじゃろ」
まぁ、みょうじさんと何かあったら教えてねと笑う幸村とやれやれと溜め息を吐く参謀になんとも言えない気分のまま、A組の教室を出た。
それにしても、幸村があんだけ面白がっとる相手となると、関わらん方が吉かのぅ。
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