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あの女子生徒が去った後、大人しくしとった猫達は散り散りにどこかへ行ってしまった。
じゃが、それよりもあの女子生徒が誰なのかが気になり手に持っていた煮干しをポケットに戻し校舎へと向かった。
「どうかしたか?お前がわざわざ俺に会いに来るとは珍しいな」
「少し聞きたい事があってのぅ」
「ほぅ?」
元から人の名前や顔を覚えるのは得意じゃが、それは自分の興味がある相手に限るからのぅ。その結果、あの女子生徒についてなんもわからんかった。
じゃから、全生徒を把握しとる参謀に聞きに来たってだけなんじゃがな。
「単刀直入に聞くが、薄いオレンジの髪色をした女子生徒について聞きたいんじゃが」
「ほぅ…まさか女子生徒について聞いてくるとはな。なにかあったか?」
「いや、訳のわからん事を言われたんでな。少し気になってのぅ」
「ふっ、なるほど」
「それで誰だか教えてくれんか」
「うむ。一応確認するが、そいつはスカートの中にスパッツを履いていなかったか?」
参謀の言葉にさっきの風景を思い返すと、確かにスカートの中にスパッツを履いていた気がする。結構、大胆に寝転んどったがパンツは見えんかったし。
確証はないが履いとったかも知れんと答えると、参謀がふっと笑うとパタンとノートを閉じた。
「なら、みょうじなまえで間違いないな」
「みょうじなまえ?」
「あぁ、薄いオレンジの髪色の時点でかなり絞られるがスパッツを着用しているのはみょうじだけだからな」
「あれ?仁王じゃないか。お前がA組に来るなんて珍しいね。なんの話をしてるんだい?」
「どうやらみょうじと何かあったみたいでな」
「あれ?仁王ってみょうじさんと仲良かったっけ?」
たまたま教室にいなかった幸村がどこからか戻って来たらしく、俺と参謀の会話に混じって来たまではいい。
どうやら、口振り的に幸村はそのみょうじと接点があるらしくどうなの?と不思議そうな顔をして俺を見て来た。
いや、仲が良いも悪いも…みょうじの名前を今知った程度なんじゃが。
「いや、仁王はみょうじを知らなかったみたいでな。俺に聞きに来た様だ」
「あ、そうなんだ」
「幸村は知り合いなんか?」
「うん。ふふっ、みょうじさんとは委員会が一緒なんだよね」
そして、何故か嬉しそうに笑いながらみょうじについて話し出す幸村に頭を傾げる。
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