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そして、気まずそうに目を反らしたままの若くんが目の前に来た訳だけど…
ほ、本気なの!?若くんは、そういうのに乗るタイプじゃないよね?
「俺は、公開処刑とか嫌なんで言いませんよ」
「今更じゃね?」
「がっくんシッ!」
「なにワクワクしとんねん」
「私は、日吉推しだから!」
「ただ、このままじゃあ格好つかないんで…後日きちんと言わせて貰います。逃げないで下さいよ」
・・・・・。
あ、あれ…あたしが思ってたのと違う。しかも逃げないで下さいと釘まで刺されてしまった。
しかもさっきまで慈郎くんと言い合いをしてたともだちがニヤニヤしてる。あの顔は、完全に絶対に楽しんでる。
「みんなの前で言えないんだから俺の方が好きって事だC〜!!」
「フンッ、確かにな。大勢の前で言えないって事は、その言葉に責任が取れねぇって事だからなぁ。アーン?」
「なっ…」
「跡部!ナイス!!芥川に負けたままでいいのか!!」
「いや、若の自由にさせてやれよ…ともだちも煽るな」
「つーか、なまえの事は無視なのな。いや、わかってたけど。つーか、おもろいから別にいいけど」
いや、ちょっと…本気で色々と酷い。
やっぱりテニス部の人達は、あたしの考え方とまるで違うみたいです。そもそも、なんでこんな人がいるところであたしは公開処刑されてるんだ。
いや、もう…今更か。慈郎くんが教室でやらかしてるし。
「べ、別に…責任が取れないとかじゃなくてですね!!」
「アーン?なら別に言えるだろうが」
「なんでわざわざあなた達の前で、言わなきゃなんないんですか」
「アーン?確認だ。ここで宣言出来ねぇならみょうじを守るなんて無理だって事だ」
「ふーんっだ!なまえちゃんは俺が守るから日吉はいいC〜!」
え、いや…なんの話だ。
ていうか、守る守れないの話はどこから出て来たの?そもそも、跡部くんがファンクラブを管理したら大丈夫って言ったのに守られる様な事が起こる事を前提で話をしてるんだろうか。
そしてなんでともだちまでノリノリなんだ。テニス部の奴等、絶対に許さねぇ!信用出来ねぇ!!って言ったのはどうしたんだ。なんでそんなにワクワクした顔をして若くんを見ているんだ。
そしてあたしは、今すぐにでも逃げ出したい。この空気のノリに堪えられないです。
でもドアの前には、樺地くんがいるから逃げられそうにないです。絶対にあたしが逃げ出さない様にでしょ、あれ。
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