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そして教室に戻るとともだちに日吉見付かった〜?と聞かれて首を振るとだと思った!と何故か元気よく言われた。
まぁ、その内戻って来るでしょ〜とかなんとかいいながらじゃがりこを頬張ってるともだちに太るよと言いながらあたしも椅子に座った。
そして暫くすると日吉くんが教室に戻って来たのはいいんだけど、あたしを見付けるなりこっちに向かって来た。
「俺を探してたと先輩達に聞いたが…なにか用があったのか?」
「え、あぁ…うん、ちょっとね」
「水泳部をテニス部の下に置くって話、日吉が言い出したらしいじゃん?なんで?」
「ちょ、ともだち!」
「いやぁ…私も気になったから、つい!それで、なに?なまえの為とかカッコいい事言うの?」
な、なんでともだちは若干喧嘩腰なんだろう。
しかも日吉くんがあたしに話し掛けたってだけで注目浴びてるから、あたしは急ぎじゃないからまた後でで大丈夫って言おうとしたのに…なんて事をいうんだこの子は。
ほら、日吉くんが珍しく目を見開いて驚いてるじゃないか。ポーカーフェイスというか、いつも無表情の日吉くんがビックリするレベルで失礼だよ。むしろ、なに言ってんだこいつとか思われててもおかしくないよ。
「その事か。まぁ、みょうじの為だったのかと聞かれたらそうだろうな」
「あ、ならいいわ。なまえって水泳の事になると本当にバカだから頼むわ」
「え、ちょ…ともだち!」
「テニス部の管轄内に入るんだから特に問題はないと思うが」
「日吉くんも律儀に答えなくていいし!」
「何かあれば放課後に詳しい説明をされると思うから、その時に跡部部長に聞くといい」
いや、そういう事じゃなくて…と言い掛けたけど、これ以上注目を浴びたくないのでわかったと素直に頷くと日吉くんは、納得したのか自分の席に戻っていった。
あぁ…なんか悪い事したなぁ。あたしが屋上なんかに日吉くんを探しに行ったりしたから、普通に何かあったかと思うよね。
どうせ、テニス部所属になる訳だし…プールで会うならわざわざ探しに行かなきゃよかった。余り顔には出てなかったけど、周りからの視線に舌打ちしそうなくらい怖い雰囲気出てたよ、日吉くん。
本当に周りに騒がれるの嫌いなんだなぁ。まぁ、好きな人とかいないだろうけど。
「ぐふふっ…なまえの為だってよ!日吉、なかなかハッキリ言うねぇ〜」
「いや…水泳部で知り合いなのあたししかいないだろうし。忍び込んで泳いでるの知ってるし、あたしの為でしょ…」
「うわー冷めてるぅー」
「あたしが聞きたかったのは、なんであたしの為にそこまでしてくれたかだよ」
まぁ、忍び込んでまで泳いでたのを知ってるから…あたしが泳ぐの好きだからってあんな提案をしてくれたんだろうけど。
日吉くんがそこまでする理由はないんじゃないかなぁと。さっきの態度的にあたしを好きだからとか絶対にないだろうし。むしろ、一目惚れとかでない限りはそれはないと断言出来る。
ん〜そう考えるとやっぱり日吉くんは水泳が好きなのかもしれないな。
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