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そして教室に着くなりともだちが飛び付いて来たかと思ったら、凄い勢いであたしから慈郎くんを離した。

いや、うん…ともだちの気持ちはわかるけど、むしろちょっと助かったけど…慈郎くんが凄く悲しそうな顔してるからもう少し優しくしてあげて。



「なまえ!大丈夫だった!?てか、芥川はなんでなまえと手とか繋いでんの?は?舐めてんの?がっくんも注意しろよ」

「だ、だって…なまえちゃん嫌がらなかったもん!!」

「嫌だって言えないだけかもしれないだろ!あーやだやだ!これだから人の事を考えないやつは!」

「おい、ともだちそれは言い過ぎだぞ」

「ていうか、仮に嫌だったとしてちゃんと拒否出来ない方も悪くね?何されても文句言えなっ…いでっ!!」

「はぁ!?がっくんマジで有り得ないんだけど!」



とりあえず、教室に着いたら少しはまともに落ち着けると思ってたけど、そんな事はなかった様だ。

むしろ、テニス部の方々がいるお蔭でかなり注目されてるし。しかも、ともだちが向日くんの頭を引っ叩くという暴挙に出たお蔭で更に注目の的である。

まぁ、向日くんの言う事にも一理あるし。あたしが拒否しなかったのが悪いね、うん。

拒否する程、嫌じゃなかったっていうのもあるけどね。



「ほんで、どないなったん?なんや、みょうじの様子が変な気ぃするけど」

「い、いや…まぁ仲直り?したよ」

「俺と仲良くしてくれるって言ってくれたC〜!!」

「んで、日吉とジローに告られてテンパってるとこだよな」

「!!!」

「「「はっ?」」」

「む、向日くん!!ちょっと!!」



こ、告白はされてないよ!!特に若くんに関しては!いや…慈郎くんは、告白だったのかもしれないけど!!しかも、なんでそれをここで言っちゃうかなぁ!

ほら、ともだちと宍戸くんと忍足くんがポカン顔してるじゃん。ていうか、あたしが恥ずかしいから言わないで欲しかったな!

向日くんは、慈郎くんとはまた違った意味で素直だね!絶対に嘘とか付けない人だよね!



「芥川はまだわかるけど!日吉が!?いや、嘘でしょ!?」

「まぁ、日吉の場合はちゃんと言ってねっ…むぐ!」

「ちょ、ちょっと向日くんは黙っててね!!」

「へぇ、みょうじの焦り具合を見る限り嘘やないみたいやなぁ」

「嘘じゃないC〜!俺、なまえちゃん好きだもん!!」

「ははっ、なまえってばモテモテだね」



笑い事じゃないよ、麻衣子。

無礼を覚悟で向日くんの口を押さえたのに、追い討ちの様にサラッと慈郎くんも好きとか言わないで。

そしてさっきから満面の笑みの滝くんである。


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