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・・・芥川くん大丈夫かなぁ。
朝、下駄箱であたしに謝ってからずっと様子がおかしかった。もちろん、昨日の事があったら気まずいとか色々思う事はあるんだろうけど…
いつもみたいに寝てると思ったら、1限目が終わるとすぐに教室から出て行ったきり帰って来てないし。
忍足くんに聞いても別にジローがサボるんは珍しくないとか言うし。
確かに、珍しくはないのかもしれないけど…昨日の今日で、しかもなんか様子がおかしかったとなると少し気になると言うか…。
「とりあえず、なんもされてない?本当に大丈夫!?麻衣子は、クラスが同じだからずっと私が一緒いれるけどさ!」
「いや…私は、大丈夫だよ。そもそも、テニス部の人と関わってないもん」
「いや!わからないね!麻衣子も危ないかもしれないじゃん!!」
「そ、それより…なまえだよ。本当に何もされてない?」
「え、うん。全然何もないよ。普通に平和だった」
相変わらず、ともだちはあたしと麻衣子を心配してキョロキョロと周りを威嚇している。
正直、あたしよりも芥川くんをビンタしたともだちの方が色々と心配なんだけどなぁ。でも、そこは宍戸くんがどうにかしてくれてるのかな?
そんな事を思いながら、食べ終わった菓子パンの袋を丸めていると突如にスピーカーから変な音が流れ始めて、教室がざわつき始める。
今日は、昼の放送は無かったはずだけどなぁ〜なんて思いながら、ココアを飲んでいるとスピーカーからどこか聞き覚えのある声が聞こえて、思わず動きを止めた。
・・・え、芥川くん?
「"っ、俺…芥川慈郎。みんなに言いたい事ある!それになまえちゃんにも聞いて欲しいC"」
「ぶふぅっ!?ちょ、はっ!?芥川!?何してんだあいつ!!」
「…ははっ。なまえ、名指しされちゃったね」
「ちょ、止めてくる!あいつ、何考えてんの!?バカじゃっ…なまえ?」
正直、名指しされた事にはビックリしたけど…今にも泣きそうな声で必死に何かを伝えようとしている芥川くんに、今すぐ駆け出して行きそうなともだちの腕を掴む。
既に名指しされた訳だし、今更止めても無駄だと思う。
それに芥川くんは、あたしに聞いて欲しいって言ってる訳だ。別にこのまま、話を聞くくらいはいいと思う。
そして眉間に皺を寄せたままのともだちにもう少し聞いてみよ?と言うと、不満そうに頷いてゆっくりと椅子に座った。
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