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結果、あたしを含めた元水泳部はみんなテニス部に入るという形になった。
それを教室に戻り、ともだちとお弁当を食べなから説明するとともだちが日吉のヤツやるな!とか何故か興奮してた。
とりあえず、あたしはお弁当を食べたら日吉くんを探しに行こう。色々と聞きたい事があるし。
ちなみにともだちに携帯で連絡すればいいじゃんとか言われたけど、生憎あたしと日吉くんは連絡先に交換してないのであった。それを素直言うと連絡先交換してないとか日吉がマジでわかんねぇー!と頭を抱えていた。
全く騒がしい友人である。
そしてお弁当を食べ終わり日吉くんを探してるんだけど…日吉くんっていつもお昼どこで食べてるんだろう。教室で食べてるの見た事ないし。
ん〜お弁当といえば…屋上とか?いや、日吉くんがそんな在り来たりな場所にいる気がしない。むしろ、屋上とか率先して避けそうだ。
じゃあどこだろう?あたし、日吉くんについてなにも知らないから全然見当が付かない。
とりあえず、さっきいないと決め付けた屋上に行ってみよう。もしかしたら、奇跡が起こっ…らなかったです。
しかも屋上にいたのは、テニス部の先輩っぽい。凄くやらかした。やだ、赤いオカッパの小さい人がなんかあたしを指差してる。よし、逃げよう。
「あっ!ちょ、待てよ!って、足遅っ!」
「いきなり失礼ですね」
「俺等の顔見て逃げる自分もなかなか失礼やと思うで?」
「それは大変失礼しました。あたし、急いでるんで許して下さい」
「自分、水泳部の子やんな?昼休みの屋上は、テニス部がおるから普通の子は近寄らんのになんで来たん?」
「すいません。ぶっちゃけそんなの知りませんでした」
なんだその恐ろしい決まり。
そして遠回しにお前なに屋上来てんの?俺等の昼休み邪魔してんじゃねぇよと言われてる気分だ。
まぁ、いいや。
規格外の部長がいるテニス部のやる事はイマイチわからないので気にするだけ無駄だ。
とりあえず、もう一度頭を下げてすぐにここから去ろう。こんなところをファンクラブの人達に見られたら堪ったもんじゃない。
「自分、誰か探しとるん?俺等に用がある感じちゃうかったし、俺等見た途端戻ろうとしたやんか」
「日吉くん知りませんかね?」
「あー、日吉?あいつなら鳳と音楽室にいるんじゃねぇの?」
「岳人…なにサラッとバラしとんねん。この子が日吉のファンやったらなんで教えたって日吉にどやされるで」
「え、お前…日吉のファンなの!?」
「いえ、ただのクラスメイトですけど。でもそう勘違いされるのもなんか嫌なんで、もういいです」
「ふふ、随分とバッサリいう子だね。クラスが同じなら教室の方が周りに騒がれないと思うよ」
あ、この人はなんかまともそうだ。というか、この人のいう通りだ。
普通に教室で聞けばいいや。日吉くんは授業サボったりしないし。
そうしますとまともなオカッパヘアーの先輩に頭を下げて足早に屋上を後にした。
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