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とりあえず、ともだちも落ち着いたので3人のところに戻ると今度は日吉くんが怒ってる様で眉間に凄い皺が寄ってた。
「えーと…日吉くん、大丈夫?」
「…えぇ、まぁ。ただ、余りにも無責任な先輩ばかりで呆れてるだけです」
「ホントそれ。もうテニス部の奴が言う大丈夫は信用しないって決めた」
「ま、まぁまぁ。よくわからないけど、なんか事情があったのかもしれないし…」
「い、いや…いいんだ。俺等がジローを甘やかして、注意もなんもしなかったのは事実だしよ」
「いや、俺かてなんや様子がおかしいとは思うてたで?せやけど、ジローになまえちゃんの為だから!って言われたら何も言えんやんか」
う、うーん?
正直、テニス部内での芥川くんがどんな扱いをされてるのかは、よくわからないけど…みんなは芥川くんの好きにさせてるみたいな感じなのかな?
というか、そもそも…ファンの子達が勝手にやった事だとあたしは思ってたから、芥川くんを責めるのは違うと思ったんだけど…
なんか、芥川くんが悪いみたいな感じになってる気がするんだけど…なんでだろう。
「言ったじゃないですか、芥川さんのファンは過激だって。それを放置してるのは、芥川さんですよ?」
「いや、でも…芥川くんも好きでファンを作ってる訳じゃないだろうし」
「…だとしたら、俺みたいにファンクラブを作らせないとか色々と出来る事があるじゃないですか」
「そうだよ!跡部なんて、自分で自分のファンクラブを管理してるからね?問題が起こらない様にって」
「う、うーん…。でも、やっぱり芥川くんの意思じゃないなら…責められないよ」
正直、日吉くんみたいにファンの子を拒否するのは難しい事だと思うし。
それにあたしに芥川くんが急に話し掛けない様になったのは、あたしの言い方にも問題があったからだし。だから、何も知らない人から見たら、芥川くんがあたしに飽きて話し掛けるのをやめた様にしか見えないと思う。
まぁ、芥川くんが本当にあたしに話し掛けるのが嫌になっちゃったって可能性もあるんだけどね。
「みょうじは、どないしたいん?もうジローと関わりたないとか思うてるんか」
「えっ…」
「みょうじ先輩、この際だからはっきり言った方がいいですよ」
「そうだな。怪我とかはしてないにしろ、危ない目に遭った訳だしな…」
「ふんっ…今更だよ。どうせ、明日から嫌がらせとかされるだろうし」
・・・関わりたくない、か。
正直、またトイレに閉じ込められて水を掛けられたりするのは嫌だな。
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