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日吉くんと一緒にテニスコートに向かっていたんだけど、何故か日吉くんが急に足を止めた。



「…どうやら、遅かったみたいですよ」

「えっ?」



日吉くんの言葉の意味がわからず、日吉くんの視線の先を追うと…そこには怒りを露にしているともだちとそれを宥める宍戸くんと忍足くんがいた。

あのともだちの怒り具合を見る限り、かなり状況はよろしくないみたいだ。

とりあえず、何があったかわからないので日吉くんと一緒に3人の元へ向かった。



「ともだち!」

「っ!な、なんでなまえがいるの!?ちょ、日吉!」

「別に言うなとは言われてませんし。それで、何があったんですか?」

「だから!私は、芥川に話があんの!なのに、亮とおっしーが!!」

「せやかて…話がある言うて、いきなりビンタかます奴がいるかいな。しかも、あんなギャラリーがおる場所で」



ビ、ビンタ!?

忍足くんの言葉に思わずともだちに芥川くんにビンタしたの!?と声を荒げてしまう。

確かに、トイレでの一件をやったのは芥川くんのファンの子だとは思うけど…それはいけない。ましてや暴力を奮うなんてもっての他だ。

いくらあたしの為だからと言っても、やっちゃいけない事だってある。



「だ、だって…なまえは何も悪くないのに!なんで…なまえがこんな目に遭うの?それに亮もおっしーも芥川のファンクラブは穏便だって言ってたじゃん!!」

「そ、それはっ…だからなんつーか、」

「おっしーは、全然フォローなんてしてないし!それに私、亮に頼んだよね!?」

「…ともだちっ!あたしは、大丈夫だから…ちょっと落ち着こ?ちょっと…みんなごめんね」

「だって、だってっ…!」



あたしの為に涙を浮かべて、必死に宍戸くんと忍足くんに詰め寄る様に睨むともだちを止めて腕を引く。

…許せないじゃん!と涙声であたしに腕を引かれるともだちに少し困りつつ、それでもともだちの気持ちは嬉しかった。

そして少し離れたところでともだちの腕を離すと、さっきよりは落ち着いたのかうつ向いたままごめんと謝られた。



「それは芥川くんに言わなくちゃ。急にビンタなんてしちゃダメじゃん」

「…うん。でも、なんか頭に来ちゃって…なまえが喜ぶはずないってわかってたけどさ。私が我慢出来なかった」

「でも、あたしの為に怒ってくれてありがとね」

「…ううん。でも芥川が行動しなきゃ、またなまえが何かされるし。私、守るからね!!」



やっぱりともだちは、本当に素直で真っ直ぐだなぁ。裏表がないって言うか、あたしや麻衣子とは違って思った事をすぐに口に出してくれる。

それにいつもあたしや麻衣子を引っ張ってくれるし。

まぁ、今回みたいに突っ走っちゃう時もあるけど…そこもいいところかな。


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