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そして午前の授業が終わり、お昼休みもいつも通りにともだち達と過ごした。

その時に芥川くんについて話をしたんだけど、やっぱり言い過ぎた訳じゃなくただ単に拗ねてるだけじゃない?とともだちに言われて、そうなのかなぁ…と思いつつも特にあたしから芥川くんに話し掛ける事もないので余り気にしていなかった。


しかし、それがよくなかったのか…午後の授業も終わり、予定通りに図書室に向かい、荷物を置いてからトイレに向かい個室に入るとあたしに続いていて誰かがトイレに入って来たかと思ったら、上から凄い勢いで水が降ってきた。

当然、頭から水を浴びたあたしは全身びしょ濡れだ。というか、なんなら未だに水が降って来ている。

このまま水を浴び続けるとポケットに入っている携帯が壊れると急いで個室のドアを開けようとするが、ドアは何故か開かない。



「どう?少しは頭が冷えたかしら」

「・・・・・・」

「ジローがあんたがいるとイライラするんですって」

「何をしたかは知らないけど、ジローが優しく接してくれていたのに…当然の報いよ」

「どうやって取り入ったかは知らないけど、日吉と仲が良いみたいだし。少し調子乗り過ぎなんじゃないかしら」



なんとなく、誰なのかはわかっていたけど…やっぱり芥川くんのファンクラブの人達みたいだ。

それにしても、警戒はしてたけど…さすがにトイレに入ってる時に上から水を掛けられるとは思ってもみなかった。

そして言いたい事を言うと、満足したのか…"立場を弁えてちょうだい"と謎の捨てぜりふを吐くとトイレから出て行った。


とは、言っても…このまま外には出れないし、ずぶ濡れの制服を軽く絞ってから軽くドアに手を掛けるが…やっぱり開かない。

うーん…どうしよう。
どうやって閉じ込めてるのかわからない上に、下手に無理矢理開けようとして、ドアを壊してしまうのは避けたい。

気は進まないけど…ともだちに連絡をするしかないかな。部活中だけど、何回か鳴らせば気付いてくれるかもしれないし。


そして数回電話をした結果…ともだちは電話に出てくれて、軽く事情を説明するとすぐに来てくれた。



「なまえ!いるの!?」

「いるよ。ドアどうなってる?」

「どうなってるって…モップがつっかえ棒になってるよ!トイレから出れなくなったって言うから来たのに!え、どういう事!?」



凄い勢いでトイレに入って来たみたいで、少し驚いたけど…すぐにともだちだとわかり安心した。

そしてドアを押さえているモップを取ってもらい、やっとドアを開ける事が出来た。


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