08*空に恋した向日葵(1/4)
…うーん。
ちょっと素直に言い過ぎたかな。でも本当の事、言ってって言われたからなぁ。
いつもの様に芥川くんがあたしに元気良く話し掛けて来たと思ったら…いきなり、俺と話すの嫌だ?って聞かれたんだよね。だから、嫌ではないけど…芥川くんといると色々と怖いって答えたんだけど…。
その結果、芥川くんが全く話し掛けて来なくなった訳ですよ。ついでに移動教室も隣を陣取らなくなった。
正直、芥川くんと一緒にいると色々と目立つし…あたし的には有り難いんだけど、これはこれでなんかちょっと怖いんだけど。
それに日吉くんが飽きられた方が危ないって言ってたし、今もビクビクしながら移動教室中です。
ちなみに休み時間にともだち達に状況を説明したら、ショック受けちゃったんじゃない?とか言われて、ちょっと芥川くんに悪い事をした気がします。もう少し違う言い方があったかなぁ…と。
そんな事を考えながら1階の渡り廊下を歩いていると前から後ろから声を掛けられて、ゆっくりと振り返ると日吉くんがいた。
「あ、日吉くん」
「どうも。移動教室ですか?」
「うん。日吉くんは、体育?」
「えぇ、体育館に向かっていたらみょうじ先輩が見えたので」
「こっちからだと体育館まで遠回りなのに」
「たまたまですよ。それにこっちからの方が騒がしくないですし」
ジャージ姿の日吉くんを見たのは、初めてだったからちょっと不思議な感じだけど…やっぱりあのテニス部なだけあってジャージ姿も似合うなぁ。
いや、テニス部なのは関係ないかな。単純に日吉くんの容姿がいいから、なんでも似合うんだろうな。
そんな事を思っていると日吉くんが不思議そうな顔をして小さく頭を傾げた。
その仕草で日吉くんが可愛く見えたのは秘密だ。
「なんです?」
「ジャージ姿の日吉くんを見るのは初めてだなぁって」
「え、まぁ…体育ですし。それに体育祭とかで着ますし、そんな珍しくはないじゃないですか?」
「あ、そういえばそうだね。でも日吉くんのジャージ姿をまじまじと見たのは初めてだから」
「そ、そうですか。でも別に見ても楽しいものじゃないですよ…」
とは言いつつ、あたしがまじまじと見ていたせいか少し恥ずかしそうに視線を反らす日吉くんにちょっと笑った。
図書室でもよく話していたけど、最近は更に話すようになって色々な日吉くんが見れて少し楽しいとか思ったり。
そしてさすがにいつまでも話している訳にもいかないので、今日も図書室に行くのか聞かれたので行く予定だよと答えてたから途中の廊下で別れた。
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