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06*(2/4)


えーと…あの、誰かあたしを助けて下さい。

日吉くんに言われた通りに芥川くん及び忍足くんを避けてたんだけど…あたしの避け方が悪かったのかなんなのか…



「むぅっ…なんで逃げるC!!」

「い、いや…逃げた訳じゃなくて…」



遂に芥川くんに捕まりました。というか、さすがに運動部…しかもテニス部のレギュラーに走って追い掛けられたら逃げ切れる訳がない。

むしろ、普通に走って追い掛けられるとか怖いです。正直、芥川くんが走って来たからあたしも走って逃げちゃっただけなんだよね。

その結果、不機嫌そうな…泣きそうな…なんとも複雑な表情をした芥川くんに壁ドンとやらをされています。

しかもここは、廊下で…芥川くんが叫びながら追い掛けて来てたのでいつも以上に注目の的になってしまった。

本気で周りの視線が怖い。



「あ、芥川くん…お、落ち着いて」

「じゃあなんで逃げたか言えC」

「えーと…芥川くんが走って追い掛けて来たから…つい」

「待ってって言ってるのになまえちゃんが行っちゃうからじゃん!」

「う、うん…そうだね。ごめん」

「むぅ…俺がなんかした?なんで今日は、全然一緒にいてくんないんだC〜」



・・・・・。
さすがに日吉くんに色々聞いたからあなたを避けてました…とは言えないし。どうしたらいいんだろうか。

というか、なんで一緒にいる事が当たり前みたいな言い方なんだろう。本当に芥川くんは、あたしの都合とか立場とか…なにも考えていないんだなぁと染々と思った。

いや、そんな事より…この状況をどうにかしなきゃならない訳で…



「急に2人して走って行ったと思うたら、何しとるん?」

「あ、おっしー。なまえちゃんが待ってくれないから追い掛けて今捕まえたとこだC〜」

「まぁ、そろそろチャイム鳴るから移動すんで。さすがにみょうじも授業サボる用なんてないやんな?」

「えっ…まぁ、そうだけど」

「ほれ、ジローもいつまでも壁ドンしてへんで行くで。それに壁ドンなんて漫画の世界だけで女の子からしたら怖いもんらしいからやめたり」



うわぁ…凄く意味深な笑みを浮かべながら芥川くんの腕を引く忍足くんに少しドキリとした。もちろん、ときめいたとかじゃなくて…嫌な予感がする的な意味のドキリです。

芥川くんは、あたしがなんで避けてるのか本気でわかってないみたいだったけど…

忍足くんに関しては、日吉くんに色々とあの人には気を付ける様にと散々言われていて…怖いです。

確かに、忍足くんって普通に勉強も出来るし…頭の回転とか速そうだし、色々とあたしが考えてる事がバレてそうだ。


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