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そして気が付けば、今まで乗った事がない様な大きな車に乗せられて、豪邸に着いていた。
アレだ、まさにお城だ。
「なまえちゃんこっちこっちー!」
「えっと…」
「ここは、跡部ん家やで。せやから、心配せんでええよ」
「…心配しかないよ。あたし、跡部くんとまともに話した事ないし…悪いから帰るよ」
「大丈夫だって!今更、なまえが1人増えたとこで跡部はなんも言わねぇから!」
「せやで。それにアカンかったら最初からみょうじを車に乗せたりせーへんよ」
いや、そういう問題じゃない。
と言うか、なんで芥川くんはあたしの手を握りっぱなしなんだろう。
アレかな…あたしが逃げ出そうとしてるのがバレてるのかな。しかも、いつの間にか跡部くんは、いないし。
しかもなんかホテルのバイキング場みたいな場所に連れて来られて、帰るにしろ迷って帰れなさそうだし。どうしたらいいんだろう…。
「ほな、座ろか。直に宍戸達も来るやろ」
「だな!なまえは、ここな!」
「だからがっくんズルいC〜!なまえちゃんは、俺の隣だC〜!」
「ほれ、喧嘩するんやない。みょうじもはよ座り」
「う、うん…」
もう本当に帰れなさそうだ。
この3人から逃げられそうにないあたしは、ついに諦めた。
だって芥川くんはあたしの手を握りっぱなしだし、向日くんもあたしに話し掛けっぱなしだ。
もちろん、忍足くんはそんなあたしを面白がって見ているだけである。
そして暫くして跡部くんが他のテニス部の人(多分)を連れて来て、食事が始まった。
ちなみになんの説明もされずにいただきます!乾杯的なノリで始まったのであたしからしたらなにがなんだかである。
「なまえちゃん、こっちこっち!」
「え?あっ…ちょ、」
「俺のオススメ教えてあげるC〜!」
「あ、ジロー!なまえは、少食だから無駄に盛るなよ!」
「なんでそんな事、がっくんが知ってるんだC〜!」
「は?一緒に昼飯食ったからだろ」
「なにそれズルいC〜!!」
あたしに持たせたお皿にドンドンとあれもこれも〜!と色々な料理を盛っている芥川くんに向日くんが指摘をすると、何故か頬を膨らませて芥川くんが怒り出した。
でも普通にその時にお前もいただろ!と向日くんに言われてA〜?覚えてないC!と威張る芥川くんであった。
いや、確かに…あの時も芥川くんは寝ながらご飯食べてたからね。あたしがいた事に気付いてないのも当たり前だ。
でも普通に寝ながらご飯食べるって今更だけど芥川くんは普段どんな生活をしているんだろうか。
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