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とりあえず、膝掛けは受け取ったので軽く頭を下げてその場を去ろうとした。
だけど、不意に腕を掴まれてしまい足を止める。
「なまえちゃん、一緒に帰ろっ!」
「えっ、えぇ〜…」
「てか、こんな時間まで学校にいるって事は部活入ってんのか?」
「え、いや…」
「ジローと岳人が急に走り出したかと思うたら、なんやみょうじやん」
そしてまさかの忍足くんまで来てしまった。ヤバい、とてつもなく逃げたい。
周りの視線が痛い。
だけど、昼に比べれば日が落ちていて薄暗いのが救いだ。
しかし、注目を浴びているのにはかわりないので気が気じゃない。
「ダメなの〜?一緒に帰ろうC〜!」
「えーと…」
「アーン?お前等なにしてやがる。さっさと行くぞ」
「あ、跡部!この子!この子がなまえちゃんだC〜!」
「え、うわぁっ…!」
そして何故か芥川くんに抱き付かれる。しかも、あの跡部くんまで来ちゃったよ。
もうこれ、注目どころの話じゃなくなってるよ。なんかテニス部がわらわら来るよ。
誰か助けて下さい。
「とりあえず、みょうじが死にそうな顔しとるし。帰るにしろ話すにしろ、まず学校出よか」
「おう、そうだな!なまえも一緒に飯食いに行こうぜ!」
「え、ちょっ…」
「うん、なまえちゃんも行くC〜!」
「仕方ねぇな。おい、さっさと行くぞ」
そして何故か芥川くんに手を引かれて跡部くん達の後をついて行く事になる。
忍足くん…助けるなら普通に帰してやれくらい言ってよ。いや、なんか笑ってるし…忍足くん絶対に面白がってる。
しかも向日くんもすっごい嬉しそうに隣歩いてるし…逃げられる気がしない。
「それでなまえは、部活だったのか?」
「え、ううん…図書室で本読んでて…」
「ふーん?じゃあ部活入ってねぇんだ」
「…うん」
「がっくんばっかりズルいC〜!なまえちゃんなまえちゃん!俺とも話そっ!」
「なんやみょうじ、モテモテやん」
「…忍足くんうるさい」
クツクツと後ろから忍足くんの笑い声が聞こえる。
そして芥川くんと向日くんは、よくわからない言い合いをしているし。
もう本当に逃げたい。
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