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03*(3/4)


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あーもう…最悪だ。
相変わらず、隣の席でクスクスと笑っている忍足くん。そしてその隣にはあたしから奪った膝掛けを大事そうに抱えてニコニコしている芥川くん。


なんでこんな事になったんだろう。アレだ…芥川くんなんかに膝掛けを掛けてあげなければよかった。見て見ぬフリをすればよかった…と今更ながら後悔の念にかられています。


しかも芥川くんがあたしに急に抱き付いて来たせいで周りの視線が痛い気がするし。もうやだ、怖い。

向日くんと話してても視線が痛いのに芥川くんに抱き付かれたとか…もうね。



「"ジローにバレてもうたな"」

「"そうですね"」

「"そないな顔せんでもええやろ。ジロー、嬉しそうやったし"」

「"あたしは嬉しくないです"」

「"自分、ホンマおもろいやっちゃなー"」

「"全然おもろくないです"」



相変わらず、メモで会話をするがそれどころじゃない。しかも、忍足くん笑い過ぎ。なにがそんなに面白いんだろうか。

それにしても、本当にどうしよう。向日くんと話すのも怖いのに…芥川くんにまで話し掛けられたりしたら…想像しただけで恐ろしい。

忍足くんは、なにかと構ってくるが直接ではなくこうして授業中のメモでの会話が主なので余り怖くはないけど…ファンクラブの子達にバレたらと考えると恐ろしい。



「"大丈夫やて。岳人とジローのファンはそこまで過激やないし。仲良くしたってや"」

「"ファンがいるだけで過激です"」

「"しゃーないやろ。好きでファン作っとる訳やないし"」

「"なんか怖い"」

「"既になんか言われたりしたんか?"」

「"いや、してないけど…"」

「"ほな、なんか言われたら俺に言うてな?多少は、フォローしたるよ"」



なんで忍足くんは、あたしがなにか言われる前提で話をしているんだろう。いや、あんだけ芥川くんが騒げば当たり前か…。

あぁ、もう嫌だよー。怖いよー。

うん…向日くんや芥川くんには悪いけど、はっきりとファンの人達が怖いので話し掛けないでと言おう。



「"大丈夫です。もう関わるつもりないですから…怖いので"」

「"これまたはっきり言うたなぁ。でも岳人はまだしも、ジローは無理やと思うで?"」

「"そんなの知らないです。こっちだって自分を守るために必死なんです"」

「"誰かに守って貰うって選択肢はないんかい。俺とか"」

「"その誰かのせいで悪化する未来しか見えないんですよ"」



そんなの無理に決まってる。ましてや、テニス部の人達に助けて貰ったりしたら余計にややこしくなるし。

とりあえず、悪い人達ではないけれど…もう関わりたくない。

そんなあたしに忍足くんが困った顔をしていたが無視して窓の外へと視線を向けた。


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