03*(2/4)
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もう最悪だC〜…。
前に誰だかわからない人から貰った膝掛けあるじゃん?空色でふわふわでいい匂いするやつ。
アレね?毎日ちゃんと持ち歩いてたんだけど、今日忘れちゃった。理由は、母ちゃんが勝手に洗濯するとかで持っていったんだと思う。母ちゃんがギャーギャーうるさかったから鞄の中を確認しなかったのもあるんだけど〜…。
でね?がっくんとおっしーに代わりになるものないかって言ってもがっくんは、んなもんねぇよ!とか言って教室に行っちゃうし…おっしーはハンドタオル貸してくれたけどおっしーの匂いとか嫌だし。
もういつも以上にテンション下がってたの。
そしたら、おっしーの隣の席の子が膝掛け持ってるのに気付いて貸してって言ったら、なんでか断られた。
今まで俺がなにかちょうだいとか欲しいって言って断って来た子がいなかったからなんかムカついて無理矢理その子の膝から膝掛けを奪ったらおっしーに怒られた。
だけど、代わりになる物が欲しくて返したくなくて奪った膝掛けを抱き抱えたら俺の膝掛けと同じ匂いがして思わず、女の子の方を見るとあからさまにマズイって顔をしてて〜この子が俺に膝掛けを掛けてくれた子だって気付いた。
「やっと見付けたC〜!」
「うわっ!な、なに!?」
「ねぇ、膝掛け掛けてくれたのあんたでしょ?なんで言ってくれなかったC〜」
「く、苦しっ…ちょ、離してっ…」
「うわぁ!マジマジ、同じ匂いするC〜!やっと見付けた〜!」
「ちょ…お、忍足くん…た、助けて!」
「アカン、おもろ過ぎるわ」
思わずその子に飛び付いたら凄い細くて身長が小さめな俺でもすっぽりと包む込めた。それで必死になんか言ってたけどよく聞こえないから無視してたらおっしーに離してやれって言われて渋々離したら、女の子に睨まれた。
ちょっと不機嫌そうな女の子に頭を傾げるとフンッと顔を反らされてちょっとムッとした。
だけど、おっしーに今のはジローが悪いって何故か笑いながら言われて訳がわからなかった。
「急に抱き付いたら誰だってビックリするやろ。それにちゃんとお礼言わなアカンで」
「あ、そっか。それで膝掛けありがと〜アレお気に入りなんだよ〜」
「…い、いえ」
「みょうじ、なんちゅー顔してんねん。アカン、腹痛いわ」
「ねぇ、名前は?俺、芥川慈郎!」
「いや、知ってます…みょうじです」
「アカン、みょうじがおもろ過ぎる」
何故か笑っているおっしーと不機嫌そうななまえちゃん(名前はおっしーが教えてくれた)に頭を傾げていると担任が教室に入って来て、渋々自分の席に座った。
もちろん、なまえちゃんの膝掛けは持ったままだよ〜。
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