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な、なんでバレたんだ。

クスクスと笑っている忍足くんになんの事かわからないとメモに書くと更に笑われた。



「"ジローは気付いてへんよ"」

「"あたしじゃないです"」

「"なんで、そないバレたくないん?"」

「"バレなくないと言うか、なんというか"」

「"やっぱり自分やったんやん"」



まさかの誘導尋問に引っ掛かってしまった。悔しさの余り、忍足くんを見ると何故か笑われた。絶対にバカにしてる。

く、くそぅ…。

なんか忍足くんが嫌いになって来たぞ。と言うか、会話こそしてないがこうしてメモのやり取りをしているのが怖いんですが…。


とりあえず、忍足くんとこれ以上話していると墓穴を掘りそうなのでやめよう。


授業に集中するからとメモに書くとまた笑われた。ダメだ、完全にバカにされている。



そして無事に授業が終わり、忍足くんにお礼を言うと気にせんでええよ、と笑った。

ダメだ、なんか忍足くんの笑みが苦手になりつつある。



「侑士ーっ!!」

「おー、来たか。ちゃんと借りたもんは返さなアカンよ」

「いつも侑士から借りてるし、催促来るからすっかり忘れてたぜ。えーと…」

「あ、みょうじなまえです」

「なまえか!サンキューな!返すの忘れててわりぃな…」

「え、あっ…大丈夫…」



頭を掻きながら現文の教科書を差し出す向日くんに大丈夫だよと言ってたから受け取ると急に向日くんが声を上げてビックリして顔を上げる。

そして何故かあたしの新しい膝掛けを指差す。

え?と声を漏らすとすぐに忍足くんが向日くんの口を押さえた。あれだ、凄い早かった。



「岳人は声がでかいねん」

「…うぐっ!だ、だってジローの膝掛けってこいつのだろ?」

「ちゃうやろ、現にみょうじは膝掛け持っとるやん」

「あ、そっか。でも昨日はその膝掛けじゃなかった様な…」

「ずっとその膝掛けやんな?」

「う、うん」

「ほら、岳人の勘違いやろ」

「おっかしいなー。ま、いいや!じゃあ、またなー!」



そして颯爽と教室を出て行く向日くんに呆然としていると忍足くんがあたしの膝掛けを指差した。

今度はなに?と頭を傾げるとわざわざ新しいの買うたんかと訪ねられて返事に困る。

いや、買いましたけど…。
なんでそんな事を聞いてくるんですかね?


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