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ふわぁっ〜…眠い。
いつの間にかまた部活の時間まで寝てたらしく樺ちゃんに起こされた。
それでゆっくりと体を起こすとふんわりと良い匂いがした。俺の体からなにかがずり落ちるのを感じてそこを見れば空色のふわふわな膝掛けがあった。
「ん〜これ樺ちゃんの〜?」
「・・・・(頭を横に振る)」
「じゃあ誰のだろ〜?すげぇ良い匂いするC〜」
「・・・・」
「うわぁっ!行く行く!ちゃんと行くから担がなくていいC〜!」
「ウス」
謎の膝掛けを眺めていたら樺ちゃんに首根っこを掴まれた。今日は、珍しく起きたし担がなくていいのに〜。
樺ちゃんがゆっくりと俺を下ろすとジィーッと俺の隣を見るとなにかを指差した。
頭を傾げながら、指差す方を見るとなんかの紙切れがあった。書いてある文字に更に頭を傾げる。
そしてさすがにそろそろ行かないと跡部に怒られそうだからその紙切れと膝掛けを持ってテニスコートへ向かった。
「…ったく、やっと来たぜ」
「ん?なんやジロー、そないなもん持って」
「なんか寝てたら掛けてあったC〜!なんか捨ててくれって!これに書いてあるC〜!」
「ハァッ?ゴミ押し付けられたって事かよ?」
「いや…別に返さなくてええし、要らんなら捨ててくれて構わんよって事やろ」
「うん、だから貰った!この膝掛け良い匂いするC、なんか気に入ったから〜」
いいでしょ〜と膝掛けをヒラヒラと見せるとおっしーが呆れたように笑ってるし。がっくんは、どうせすぐ無くすだろ〜なんてバカにしてくる。
でもそんなの気にせずに誰の物かわからない膝掛けを大事に抱えた。
それにしても誰が掛けてくれたんだろ?俺のファンの子なら起きるまでいるだろうC〜。て言うか、あそこの場所って今までファンの子に見付かった事なかったのになぁ。
「あーん?膝掛けなら俺様がやったヤツはどうした?」
「アレは、どっかいった!」
「まぁ、ジローやしな。しゃーないやろ」
「あれ…でも跡部があげた膝掛けってかなり高級なやつじゃなかったかい?」
「ジローだぜ?高級とか関係ないだろ。つまり、あげた跡部が悪い」
「確かに、岳人の言う通りだな。なんでもかんでもジローに与える跡部がわりぃな」
なんかよくわからないけど跡部がしょんぼりしてるけど気にしたら負けだと思うから無視した。
そんでなんか今日は、テンションが上がってて部活が楽しかった。
(見てみてー!かっちょEーっしょ!)
(いや、どちらかと言うとマヌケです)
(でも無くすよりマシだろ)
(そうですね、宍戸さん)
(俺あの膝掛けどっか見た気がすんだよな〜)
(なんや、岳人もか)
(まぁ、どこだか忘れたけどな!)
(膝掛けなんて注意して見いひんしな)
(スーパーマンみたいだC〜!)
(おい、騒いでないで帰るぞ)
(ウス)
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