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それにしてもこの間から日吉くんの様子がなんか変だった気がしたけど…まぁ、変に絡んで来たのはあの日だけだし。きっと警備員に見付かってちょっとテンションがおかしかっただけだろう。
でもあの日から何故か問答無用で家まで送られてるけど。
日吉くんがモテる理由がよくわかったが、やっぱり思わせ振りな態度はよくないと思う。家まで送ったりするのは、好きな子にしてあげるべきだ。
「でもなんだかんだで一緒に帰ってたんでしょ?日吉って女子とあんまり話さないし、どんな話すんの?」
「どんな話?え、特にないけど」
「え、終始無言なの?」
「そういう訳じゃないけど、結構泳げた〜とか日吉くんからは泳ぐの好きだなとか言われるくらい?」
「ずっと日吉がなまえに会いに行ってるんだと思ってたけど…もはや意味がわかんない」
「実は、水泳好きとか」
「いや、それなら水泳部に入るでしょ」
うん、それもそうだ。
でも正直、あたしからしたら日吉くんがどんな理由でプールに来てたとかどうでもよかったりする。あたしがプールに忍び込んでるのを黙っててくれたり、あたしが泳いでる邪魔をする訳でもなくて、ただ見てるだけだったし。
でもそれも終わりだ。
元から日吉くんは、余り女子にいい印象を持ってなさそうだし。必要以上に馴れ合うというか…関わるのを避けてるみたいだし。もう話す事はないんじゃないかなー。
「日吉はなまえの事が好きなんだと思ってたのになぁ〜」
「まさか。今まで全然関わりなかったし。でも日吉くんがモテる理由はなんとなくわかったかな」
「えっ!なになに!?」
「顔がカッコいいのは勿論なんだけどさ。雰囲気作り?が上手いっていうか…」
「え、なにその顔!なに?なんかされたの!ちょ、ワクテカ!」
「えー…あぁ、ちょっと雰囲気でちゅーされたみたいな?後、手繋いだかな」
あたしの言葉にガタッ!と勢いよく机に足をぶつけるともだちにちょっと引きつつ、静かにする様に指でシッーとやるとごめんごめんと手を合わせながらゆっくりとあたしに顔を近付けてくる。
いや、だから…ポッキー臭い。
そしてそんなにニヤニヤされても、ともだちの思ってる様な事はなにもないからね。
「やっぱり日吉は、なまえ目当てでプールに行ってたんじゃん!」
「それはないと思うけど。あたしの事を好きって感じじゃなかったし」
「さ、冷めてるー!キスした仲なのに!そこは、やだ…日吉ったらあたしが好きなのね!くらい思えよ!」
「なにその自意識過剰。まぁ、相手が日吉くんじゃなかったら多少は思ったかもだけど。日吉くんモテるからああいう事にも慣れてるだろうなーみたいなさ」
「あぁ、だから雰囲気作りが上手いって言ったのか」
「アレは女の子も勘違いするって。あたしもドキドキしたからね…日吉くんカッコいいし」
と、とにかく…もうあたしは日吉くんとまともに関わる事はなくなる訳だし、別にいいけど。
だけど一番印象に残ってるのは、初めて日吉くんがプールに来てプールに落とした時だったなぁ。
水に濡れた日吉くんが月明かりに照らされて、すっごく綺麗で思わず見とれちゃったんだよねぇ。
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