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そして、先輩達に挨拶を済ませたので赤也くんと一緒に教室に入ったんだけど…



「うわぁ…本当にみょうじさんがナマエなんだぁ」

「くっそー…気付けてたら俺があそこにいたかも知れねぇのに」

「いや、それはないな」

「切原〜!こっち向け!」

「あ?俺は、構わねぇけど写真はなまえに確認取れって」

「みょうじさん、姉貴がファンでさっ…写真ダメ?」



お願い!と両手を合わせるクラスメイトに大丈夫だよと頷くと赤也くんがあたしの肩を抱いてピースサインをする。

それに対して、お前はもういいんだよ!と笑いながらも携帯を構えるクラスメイトに赤也くんは、早くしろよと文句を言っている。

正直、もっと批判的で今までナマエだと黙っていた事を責められたりすると思っていただけに、クラスの人達がなんの躊躇もなくあたしを受け入れてくれている事に驚いてしまった。

もちろん、赤也くんや先輩達が色々としてくれたからなんだろうけど…



「あ、あのっ…」

「ん?どうしたんだよ」

「今更だけど、ずっと黙っててごめんなさい」



相変わらず、赤也くんと冗談を言い合っているクラスメイト達にゆっくりと頭を下げた。

事情があったのは確かだけど、やっぱり黙っていられたって事に、いい気分はしないだろうし。だから、自己満足かもしれないけど謝りたかった。



「べ、別にみょうじは悪くねぇんじゃね?」

「そうだよ!気付かなかった私達も私達だしさ」

「うん…私達も全然話し掛けたりとかしなかったもんね」

「だとよ!」

「う、うん…ありがとう」



ポンポンとあたしの頭を撫でながら笑う赤也くんに少し恥ずかしいと思いつつ、やっぱり嬉しかったのであたしも笑うといちゃいちゃすんなよー!とクラスメイトからヤジが飛んで来て、また笑った。

その後、クラスメイトの女の子達からはナマエだからとかじゃないけど…これからは仲良くしようねと言われてこちらこそと言うと、何故かみょうじさん…素の方が可愛いじゃんとか言われて頭を傾げた。



「でも、なんでよりによって切原なの?あのRyoの方がイケメンだったのに〜」

「おい!よりによってってどういう意味だよ!」

「だって、テニス部なら先輩達の方がイケメンだし大人じゃん?てか、切原はうっさいし子供っぽいし」

「確かに!切原のどこがいいの〜?基本バカだしこいつ。どこが好きなん?」

「えっ、笑った顔とか…かな?凄く元気を貰えるって言うか、それに何事にも真っ直ぐなところとか」



正直、赤也くんのいいところを挙げたらキリがない。あたしには、無いものをいっぱい持ってるし。

そう素直に答えるとクラスメイトのみんなどころか赤也くんまで黙ってしまって、変な事を言ったつもりはなかったんだけど少し不安になった。

だけど、すぐにクラスメイトの男の子がクッソ!クッソ!羨ましくなんてねぇぞ!と騒ぎ出して、女の子からは切原になんかされたら言ってね?と何故かポンポンと肩を叩かれた。

とりあえず、クラスのみんなとこれから改めて仲良く出来そうで安心した。


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