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そして道行く人に騒がれながらも、無事に学校に着くと下駄箱に仁王先輩と柳先輩に加えてテニス部の先輩達が待っていて、早く来いと言わんばかりに手招きをされた。



「おっせーよ!赤也!」

「記者とか通行人に自慢してたら遅れました!!」

「まぁ、無事みたいじゃのぅ。それにしても制服姿は、久し振りじゃな」

「へぇ、本当に雰囲気は全然違うんだね」

「えっ、あの…おはようございます」

「あぁ、おはよう。本当のみょうじなまえとしての登校はどうだ?」

「な、なんだか…不思議な感じです」



テニス部の先輩達には、赤也くんや柳先輩があたしの事を説明してくれたみたいで、色々とフォローしてくれてると赤也くんから聞いていたけど…まさか出迎えられるとは思わなかった。

それに一応、面識はあるけど…前の時は仁王先輩の従姉妹って事だったし…ほぼ初対面に近いんだよね。

しかもテニス部の先輩達は、赤也くん以上に有名だったし。まぁ…今は、ある意味赤也くんの方が有名になっちゃったけど…。

そして何かあれば以前と同じ様に力になるから遠慮するなと優しく笑う柳先輩にありがとうございますと笑うとひょこっと幸村先輩が柳先輩の横から顔を出した。



「ふふっ、事情があったのはわかるけどなんかズルいなぁ」

「そう言うな、精市」

「仁王の従姉妹って言われた時に違和感には気付いてたんだけどなぁ。まぁ、改めてよろしくね」

「えっ…はい。よろしくお願いします」

「あ、俺も俺も!!ちなみにサインとかオッケー?」

「あっ、ちょ、丸井先輩っ!近いッスよ!」



そして何やらさっきまで赤也くんと言い合いしていた丸井先輩がグイッと寄って来て思わず身を引くと赤也くんが凄い勢いであたしを隠した。

その結果、また赤也くんと丸井先輩の言い合いが始まってしまい…どうしようかと困っていたらポスッと肩が重くなったと思ったら仁王先輩が眠そうな顔を肩に乗っけていた。

そしてそのせいで女の子から黄色い悲鳴と嘆きの悲鳴が挙がり、ビクリと肩が跳ねる。それにしてもやっぱり先輩達は、凄い目立つんだなぁと染々思った。



「ん〜、出迎えに付き合わされて眠いナリ。無駄に色んな奴に絡まれるしのぅ」

「わ、わざわざすみません」

「仁王くん!騒ぎが大きくなる様な事はしないで下さい。みょうじさんの迷惑になりますよ!」

「俺とみょうじの仲じゃき、大丈夫じゃ。なぁ、みょうじ?」

「えっ、あ、はい…わぁっ!」

「ちょっと仁王先輩!なまえは、俺の彼女ッスよ!」

「男の嫉妬は醜いぜよ」



仁王先輩には、確かに色々とお世話になってるから別にこのくらいなら特に気にしてないんだけど…どうやら、赤也くんからしたらダメだったらしい。

正直、仁王先輩は赤也くんの反応を見て楽しんでるだけな気もするんだけど。


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