×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

(2/4)


そして翌朝、退院の手続きを終わらせてから切原くんに今から病院を出るからとメールを送ってから、マスコミが待ち構えているであろう正面出入口からゆっくりと外へと歩を進めた。

外に出た瞬間、いくつものフラッシュを浴びながらゆっくりと頭を下げた。世間を騒がせたのは事実だし、入院をするはめになったのもあたしの不注意だから。

そんな中、Ryoさんとの熱愛報道や切原くん達はなんなのか?どんな関係なのかとバンバンと質問が飛び交う。

その中にRyoさんは撮影で迎えに来れないと嘆いていたとかなんとか言ってる記者の声が耳に入り、内心ホッとした。

ここでRyoさんが来たりしたら更にややこしい事になるし、騒ぎが大きくなってしまう。


そんな事を思いつつ、ゆっくりと下げていた頭を上げて何も語らず槙野さんや切原くんが待つ車へ向かおうとしたんだけど…そう簡単に逃がす訳にはいかないと言わんばかりに記者に囲まれてしまい、身動きが取れなくなってしまった。

その間もグイグイとRyoさんの事や切原くん達の事を聞いてくる記者から逃げようと無理矢理、押し退け様とした瞬間…グイッと凄い勢いで腕を引かれてバランスを崩してしまい、記者か誰かにぶつかってしまった。

思わぬ衝撃に目を瞑ってしまい、目を開けてぶつかってしまった人を見上げるとそこにはあたしの好きな笑顔があった。



「よっ!迎えに来たぜ!」

「き、切っ…なんでここに!?」

「おい、そこの記者!お見舞いに来た奴が誰かって聞いてたな!それは、この俺だ!」

「えっ…ちょ、な、なにをっ…!!」

「俺は、こいつが好きだ。だから、会いに来てた。他に理由はねぇよ!だから、邪魔すんな!!」

「えっ…うわっ…!」



あたしを抱き締めたまま記者に向かって言いたい放題言っている切原くんに頭が付いていけない。

そして、気が済んだのかなんなのか…今度はあたしの手を引いて記者の人達を凄い勢いで押し退けると車まで走った。

しかも切原くんは、走って逃げながらずっとRyoってやつとの熱愛報道は嘘だ!こっちが本当だっての!と叫んでいた。


そして切原くんに手を引かれたまま槙野さんのワゴン車に飛び乗るとそこには、クツクツと笑っている仁王先輩とやれやれと薄く笑っている柳先輩がいた。



「みょうじを無事に確保して来たッス!」

「ククッ、大胆過ぎじゃろ」

「赤也らしいがな」

「ふふっ、じゃあとりあえず走り出すわよ」



そして何がなんだかわからないあたしに槙野さんが笑いながら車を発進させた。


prev|next

[戻る]