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とりあえず、みょうじにマネージャーさんと柳先輩が事情を話したら…余計にみょうじが泣き出して涙を袖でくしゃくしゃと拭いてやった。
仁王先輩と仁王先輩の姉ちゃんによれば、あのRyoとかいうやつはナマエとのスキャンダル狙いでみょうじに近付いてて、以前からナマエに会いたいと言っていたらしい。
まぁ、理由は簡単でナマエがそいつの好みだったらしく、仁王先輩によれば熱愛でスキャンダルされればそのまま押し通せるだろうし?と豪語してたらしい。んで、それが雑誌での熱愛疑惑報道で確信に変わったらしい。
それで車の中で仁王先輩にスキャンダルされる覚悟はあるか?と言われて、意味がわからず頭を傾げてたら柳先輩にみょうじを好きかと聞かれて…まぁ、うん。そんな感じでここに来た訳だ。
「だーから、泣くなっつーの。俺は、好きでここに来たんだからよ」
「っ…でも、騒がれちゃうよ」
「今は変装してるじゃん?まぁ、それにそうなったらなったで別に構わねぇし」
「…だめだよ。家の人にも迷惑が掛かるんだよ?それにある事ない事…好き勝手言われちゃうよ」
「こやつはその覚悟でここに来たんじゃよ。それに俺と参謀がこやつがヘマせん様にフォローくらいはしちゃるよ」
「あぁ、乗り掛かった船だ。それに元は赤也の不注意でお前とぶつかったのが事の始まりだからな」
確かに、俺がみょうじに廊下で突っ込まなきゃこんな関係になってなかっただろうしな。いや、まぁ…今となっては突っ込んどいてよかったとか思ってるけど。
正直、みょうじに迷惑だって言われる可能性もあるし。無理強いはしない予定だったんだけど、マネージャーさんが止めなかった時点でなんとなく大丈夫だろうなぁとは思ってた。
いや、まぁ…普通に泣いてんだけどさ。でも嫌だとか迷惑だって感じじゃないのは、バカな俺にもわかる。
「…ナマエ?あのね、一応社長にも確認は取ってあるのよ。だから、貴女が決めていいのよ」
「でもっ…」
「元は貴女の為に業界人との必要以上の関わりはNGって条件だった訳で、社長は元から出生なんて気にしてないんだから」
「・・・・・」
「それに院長だって気にしなくていいって言ってくださってるじゃない」
「あたしは、みんなを好奇の目に晒させたくないだけだよ…切原くんや先輩達もそう。マスコミの人達は仕事の為だからって簡単に人を傷付けるから」
あぁ、やっぱりな。
仁王先輩と柳先輩が言った通りでみょうじは、自分がスキャンダルされる事よりも自分がスキャンダルをされた事によって周りの人達にその影響が出るのを酷く怖がっている。
まぁ、だからって俺は簡単に引かねぇけどな。むしろ、みょうじの本音が聞けてこっちとしては嬉しいだけっていう。
(じゃあ、嫌な訳じゃねぇのな?)
(…えっ?)
(俺とスキャンダルされるの!)
(おまんは、スキャンダルされる気満々か)
(だって、俺は嫌じゃないッスもん)
(ふっ…後先考えてなさそうだが、赤也らしいな)
(き、切原くん…なにを)
(俺は、堂々と素のみょうじと一緒にいてぇの!)
(っ…な、でも…それはっ)
(あぁ、青春ねぇ。純粋に応援したくなるわぁ…ねぇ槙野?)
(ふふっ…そうね。社長にまた報告しなきゃ)
(姉貴、盗み聞きはよくないぜよ)
(聞こえてきたんだから仕方ないでしょ)
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