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マネージャーさんの案内でみょうじの病室に先輩達と一緒に入ったがはいいが、病室に入るなり見知らぬ男が寝ているみょうじの手を握りながらゆっくりと振り返った。
「な、なんで…Ryoくんがいるの?面会は出来なかったはずよ」
「あぁ、槙野さん。僕から社長に頼んだんですよ…僕の責任でもあるからって、ね?」
「っ、そう。でも悪いけどそろそろ退室して貰いたいのだけど」
「まぁ、長居するつもりなかったんで。ところでその人達は?」
「俺達はっ、」
「お前さんに話す必要はない。さっさと出てってくれんか」
焦るマネージャーさんをよそにニコリと余裕の笑みを浮かべたそいつに思わず、名乗りそうになったのを咄嗟に仁王先輩が前へ出て止めてくれた。けど、めちゃくちゃ睨んでる。
ていうか、危ねぇ…普通に名乗っちまいそうだった。
そんな事を思いながら、無駄に話したらボロが出そうだから黙っていると仁王先輩が再度出て行けといつもより低い声で言うと、やれやれと言わんばかりの顔をするとゆっくりと立ち上がった。
「キミ、どっかで見た事があると思ったら…前にモデルやってた子だね」
「そんなのどうでもいい。さっさと出てってくれ」
「ふーん?ナマエちゃんと知り合いだったんだ。まぁ、別にどうでもいいけど」
そう言いながらゆっくりと俺達の横をすり抜けて病室から出て行くと、ニコリと笑って去っていった。
それを確認すると仁王先輩がゆっくりと外に出た。
「あやつが戻って来んとも限らん。俺が外で見張っとくけん、4人は中で話しんしゃい」
「あぁ、わかった」
「いや、いいよ。私が見張りしててあげるからあんたも中に入りな」
「ほーか。すまんな」
そういうと仁王先輩の姉ちゃんが病室から出て行った。ていうか、仁王先輩の姉ちゃんって結局何者なんだろ。なんとなく仁王先輩の口振り的に業界人ってのはわかるけどさ。
そんな事を思っているとマネージャーさんが寝ているみょうじを軽く揺すり起こした。
ゆっくりと起き上がったみょうじは、顔色が余り良くなくてどこか暗い表情をしていた。だけど、俺や柳先輩達がいる事に気付くと目を見開いて固まった。
「よ、よう!お、俺だぜ!」
「どんな挨拶じゃ。具合が悪いとこすまんのぅ。ちゅーか、見た目が違うからわからんか」
「えっ…と、え?あれ?声は切原くんと仁王先輩なのに…?え?」
「えとね、ナマエに会いに来るのに普段の姿だと色々と困るでしょ?だから、わざわざ変装してくれたのよ」
「まぁ、提案したんは俺じゃがのぅ。ほれ、赤也はヅラ取りんしゃい」
「あ、ウッス。で、まぁ…大丈夫かよ?湖に落ちた上に倒れたんだってな」
仁王先輩の提案で俺と柳先輩と仁王先輩は、変装してるんだけど…さすがに声は気付いたらしい。そして、どうにも状況が読めてないみょうじの為にヅラを取るとじわじわとみょうじの目に涙が溜まって行くのがわかり、駆け寄ると何故かごめんなさいと頭を下げて謝られた。
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