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そしてその日からあたしが何もない日は、切原くんと一緒に帰る様になった。もちろん、仕事で一緒に帰れない日や学校を休む日もあったけど、切原くんは欠かさずメールをくれた。
今日の部活はどうだったとか、仁王先輩にイタズラされただとか。それに加えて時間がある時は、電話をしてくれた時もあった。
正直、最初は切原くんと帰っているのを誰かに見られたらと不安だったけど、今では切原くんと帰る事が楽しみになっている。
「あぁ〜っ!今日はマジでつっかれたぁ!副部長がテンション高くてヤベェのなんのって」
「ふふふ、お疲れ様」
「いや、マジで笑い事じゃねぇから!ありゃ鬼だね!」
「でも本当に大変だったんだね。ここ、怪我してる」
「あぁ、転けた時のヤツだろ。ま、いつもの事だっ…な、なんだよ?」
「絆創膏。やっぱり見えると気になるから、もしなら家に帰ったら取って」
「お、おう…サンキュー」
*****
早く治るといいねと軽く頭を傾げながら笑うみょうじにカァッと顔が熱くなっていくのがわかった。
か、可愛過ぎかよ。
前は、いっつも不安そうな顔ばっかりで信用されてねぇんだろうなって思ってたんだけどよ。最近のみょうじは、よく笑ってくれる様になったし。
相変わらず、素顔じゃねぇけど…それでもやっぱり自然に笑ってくれてるのがわかるっつーか。しかも、最近よく一緒にいる様になってわかったんだけどみょうじのちょっとした仕草とかマジで可愛くてツボっていう。なんか小動物みてぇで見てて飽きねぇし。
「あ、そうだ!今週の土曜日って空いてるか?」
「…今週は、ドラマの撮影が入ってるから忙しいと思う」
「場所は?」
「東京だけど」
「なら時間あったらでいいから見に来いよ!土曜日、東京で練習試合なんだよ!」
「練習試合?」
「おう!普通の練習だとギャラリー多いし無理だけどよ、練習試合なら学校の奴等とかいねぇだろうしな!」
*****
どうだ?と言わんばかりにあたしを見つめる切原くんに行っても大丈夫なのかと聞くとむしろ見に来て欲しいくらいだっつの!とあの笑顔をあたしに向けた。
…眩しいなぁ。
それに正直、あたしも切原くんがテニスをしているところを見てみたい。実は、切原くんに何度かテニスコートに見に来い的な事を言われたけど、ギャラリーが多いのは知っていたし…あたしが行ったら変に思われそうだからと断っていたのだ。
でも練習試合かぁ…見てみたいな。
※部活後の先輩陣
(最近、なーんか赤也付き合い悪くね?)
(ぶーちゃんは俺じゃ不満か)
(そうは言ってねぇだろぃ)
(まぁ、赤也にも色々あるんだろ)
(色々ってなんだよぃ)
(しかし最近の切原くんは機嫌がとても良いですね)
(確かに、真田に怒られても騒がねぇしな)
(そう詮索するんじゃなか)
(仁王くんは何か知ってるみたいですね)
(さぁて、どうじゃろうな)
(あぁ!気になる!赤也に何があったんだよぃ!)
(ぶーちゃんは、本当に赤也が好きじゃな)
(なっ…気色わりぃ事言うな!)
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