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いや、だからなんで仁王先輩がいるんだよ!

みょうじがいるのは、わかる!だって俺が一緒にサボろうぜって誘ったんだし。

てか、仁王先輩が無駄にみょうじに馴れ馴れしい!!女子の頭とか絶対に撫でたりとかしないのに、なんでみょうじの頭撫でてんだし!しかもみょうじも嫌がってねぇし!

最初にみょうじと関わったのは俺のはずなのに、なんかすげぇ距離感じんだけど。メールもなんだかんだでしてるみてぇだし…なんかすげぇ嫌なんだけど。



「…切原くん、どうかしたの?」

「…べっつにー」

「赤也は、嫉妬しとるんじゃよ。俺とお前さんが一緒におったのが気に入らんらしい」

「え、そうなの?」

「なっ…!ち、違うッスよ!」

「だよね。だって切原くんが嫉妬する理由ないもんね」

「…ククッ、お前さんもなかなかはっきり言うのぅ」



ぐぅっ…!なんかこう…完全に俺を意識してないっつーか、否定されると嫉妬してたって言いたくなる。てか、普通に嫉妬するのに理由とかいるのかよ!

確かに、みょうじを好きかって言われたらわかんねぇけど…!やっぱり仁王先輩と仲良くしてんの見るとなんかムカムカする。んで、なにがですか?なんて言いながら頭を傾げてるみょうじに気にせんでええとか言って笑ってる仁王先輩。

…なんか、俺の方が邪魔みてぇじゃん。誘ったの俺なのに。



「これ赤也。俺は違う場所でサボるけん、そう不貞腐れるんじゃなか。邪魔して悪かったのぅ」

「?」

「べ、別に邪魔とかっ」

「まぁ、なんかあったら呼びんしゃい。じゃあまたの」

「あ、はい」

「赤也の事、頼むナリ」

「…?はい、わかりました」



頭を傾げながらよくわからないといった表情のみょうじに仁王先輩が笑いながら、ポンポンと俺の頭を軽く叩くとひらひらと手を振って屋上から出て行った。

仁王先輩が俺で遊ぶのはいつもの事だけど…絶対に面白がってる。

そんな事を思ってるとみょうじがどうしたの大丈夫?と手をひらひらと俺の顔の前で振った。



「大丈夫じゃねぇ!」

「え、えぇ?どうしたの?」

「俺は、みょうじと2人でサボりたかったの!あぁっ!もうせっかくみょうじと学校で話せるチャンスだったのによ!」

「今は、2人だよ?」

「そうじゃねぇ!なんか出鼻挫かれたせいで、無駄に疲れた!」

「う、うん?」



学校だとみょうじに話し掛けらんねぇし、メールだとなんか物足りなくてチャンスだと思ってサボるの誘ったのに、見事に仁王先輩に邪魔されて…なんつーか、マジで疲れた。

別に仁王先輩が悪い訳じゃねぇのにイライラしちまうし。むしろ、仁王先輩のお蔭で屋上でサボれてんのに何イライラしてんだって感じ。

いや、でも嫌なもんは嫌だし?俺は、みょうじと2人で話したかったんだから仕方ねぇし。


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