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んで、丸井先輩にバレずに済んだのはいいんだけど…とりあえず、昼休みになった瞬間に柳先輩に会いに行った。



「柳せんぱーい!」

「ふっ…お前が会いに来る事はわかっていた。安心しろ、既に邪魔をされない場所を確保してある」

「へっ?」

「誰かに聞かれたら困るのだろう?」

「えっ、あっ…はいッス!」



ちょっと意味がわからねぇけど、柳先輩がでは行くぞとスタスタと歩き出して俺はそれに大人しく付いていった。

んで、着いたのは図書室の隣の図書準備室。なんで図書準備室?と不思議に思ったけど、

…あぁ、なるへそ。

図書準備に入るなり、椅子に逆に座って軽く手を挙げている仁王先輩を見て納得した。

そういや、仁王先輩に掛かれば準備室は基本的に合鍵作られてサボり場になっちまうんだっけ。いや、あの人マジで盗人かなにかなんじゃねぇかな。てか、なんでみんな突っ込まねぇんだろ。



「強ち間違いではないが、たまに役に立つのでな。それに鍵の管理もまともに出来ない教師にも問題があるので黙認している」

「なんじゃ赤也、俺がいて不満か?」

「ち、違うッスよ!むしろ、丸井先輩に言わないでくれてマジでサンキューッス!」

「赤也個人の事なら構わず言うてたんじゃがのぅ。まぁ、参謀に口止めされとったし」

「で、でもなんで仁王先輩に…」

「それは、なんだ。変装のプロと称している仁王を試したと言うべきか。ちょっとした好奇心でな」



まぁ、流石にすぐに気付いたがなと薄く笑う柳先輩に当たり前じゃと何故か得意気な仁王先輩にもはや意味がわからねぇ。

でもまぁ、仁王先輩も誰かに言いふらしたりする気はねぇみたいだからいいけど。それに仁王先輩に関しては、態度的にそこまで興味なさそうだし。

そんな事を思ってたら柳先輩がとりあえず先ずはお前の話を詳しく聞かせて貰おう。と椅子に座った。


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「ほぅ、本人が認めたのか」

「まぁ、眼鏡は外してくんなかったんスけどね。って、えっ!?まさかただのそっくりさんとかじゃないッスよね!?」

「ある訳ないじゃろ。あれは、どう見たって女優のナマエじゃよ。まぁ、参謀に言われるまで気付かんかったがのぅ」

「うむ。みょうじなまえは、正真正銘女優のナマエで間違いない。しかし、何故素性を隠しているのかまではわからない。まぁ、みょうじについて調べた結果ある程度の憶測は出来るがな」



聞くか?と軽く俺の方を向く柳先輩にコクりと頷くと、あくまで憶測なのを忘れるなと言うとゆっくりと俺にも分かりやすく説明をしてくれた。


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