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晴れてテニス部マネージャーになったなまえは、部長が思ってた以上に働いてくれてるらしく絶賛されとる。
ちなみに金色先輩からの情報によると、光くんに頑張れって言われたからと張り切ってるらしい。
いや、確かに無理せんで頑張りとは言うたけど…
「光〜、随分と不満そうやなぁ〜」
「あんなん不満に決まっとるやないですか」
「ん〜みょうじさん、頑張り過ぎばいねぇ」
「あ、コケたで」
「おーっと!白石が華麗に手を引いて立たせたぁー!」
「ユウジ先輩うっさいわ。ちゅーか、なんで部長はなまえに付きっきりやねん」
「まぁ、部長やからやろ?それに白石に色々聞く事あるかっ…って、財前の顔こわっ!!」
「光〜男の嫉妬は醜いで〜?」
「ユウジ先輩には言われたないッスわ」
ギャラリーについては、まるでなまえがマネージャーなのが当たり前の様な雰囲気になりつつあって、気にしとらんが…
白石部長が部長でなまえがマネージャーやから部活中は色々と話す事があるんやろうけど、ホンマに白石部長とおる事が多い。
まぁ、目に入るところになまえがおるだけでええけど。せやけど、部長との2ショットを嫌でも見ないとならん。
もちろん、部長となまえの間に甘い雰囲気とかはあらへんけど、むしろあったら部長シバくけど。
「あ、白石になんや怒られとるで!」
「しょんぼりしとっと」
「ん、戻って来たやんけ。みょうじ、どないしたん?」
「えっと…怪我したなら手当てせなあかんやろって怒られました…」
「ぶふぅっ!子供か!!」
「掠り傷だったんで…大丈夫って言ったら、光くんが心配するって言われて…」
「…アホか。消毒したるから座り」
よう見たらなまえのジャージの膝の部分が汚れとって多分、膝を擦りむいたんやろなぁ。まぁ、部長は怪我とかにうるさいからしゃーない。もちろん、謙也さんもうっさいけど。
ほんで、しょんぼりとしたままゆっくりと座るなまえのジャージを捲ると結構なコケ方をしたらしく思っとるより酷い怪我やった。
…なんちゅーか、たまたま休憩中でよかったわ。練習中やったら後で自分でやるとか言うて、手当てしなさそうやし。
「ちゃんと怪我の手当てくらいしとき。それと自分は、怪我くらい大丈夫とか考えんのやめや」
「ご、ごめんなさい…」
「俺が怪我してそのままにしとったら嫌やろ?それと同じやで」
「…うん。気を付ける」
「あかん。めっちゃ、財前がおかんや」
「微笑ましいやんかぁ〜!ホンマにお似合いで可愛えわぁ!!」
「先輩等、うっさいッスわ」
なまえは、なにかと自分を無下にしてあかん。いつも自分の事は、最後にしとるみたいやし。自分の事を大切にしてないっちゅー訳やないんやけど、もう少し自分を大切にして欲しいわ。まぁ、その事はまた後で話せばええとして…今は怪我の手当てしたろ。
※財前宅
(やから、もう少し自分を大切にし)
(自分…を?)
(せや。なまえになんかあったら悲しむ人がおるんやから)
(…そっか。うん、わかった)
(せやけど、無理せんでええからな)
(…うん、大丈夫)
(俺の為に言うてなんかしてくれるんは素直に嬉しいからな)
(光くんの為ならなんでも頑張るよ?)
(出来る範囲でええねん。無理せんでくれ)
(…うん。ごめんね)
(別に怒ってる訳ちゃうから謝んのなしやで)
(ん…じゃあ、ありがとう?)
(ん、それでええわ)
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