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「おー、待っとったで!!」

「…っ!…ひ、光くん…」

「謙也が急に走って行くからめっちゃ怖がっとるやんけ!みょうじさん、堪忍なぁ」

「…謙也さん近いッスわ。張り倒すで」



ほんで、なまえに事情を話して昼どうするか聞いたら光くんがいるならって屋上に来たんやけど…いきなり謙也さんが走って来たせいでなまえが俺の背中に隠れた。

そんな謙也さんの頭を引っ叩きながらなまえに謝っとる白石部長になまえが俺の背中から恐る恐る顔を出して小さく頭を下げた。

あかん、なんやこれ可愛えんやけど。ちゅーか、なまえに頼られとる感じがめっちゃ嬉しいわ。

せやけど、いきなり怖がらせた謙也さんは許さんけど。


ほんで、とりあえず先輩等が自己紹介し始めて最後になまえがする流れになって、俺はそれを大人しく見とった。



「…は、初めまして…みょうじなまえです。あ、あの…お邪魔します」

「そない構えんでええで?」

「せやで、この人等アホやからなまえが気ぃ使う必要ないで」

「お前は、使えや!」

「嫌ッスわ。なまえ、ここにおるん嫌やったら言うてええからな」

「う、ううん…大丈夫。光くんのお友達なら仲良くしたい」

「…めっちゃええ子やんけ」
「…なんや可愛い事いうとるで」
「あかん、なまえちゃん可愛え…!」
「ちょ、小春!浮気かっ!」



せやから、なまえはめっちゃええ子やって前に言うたやんけ。ちゅーか、俺は友達なんて言うてへんし…テニス部の先輩としか言うてへんぞ。

ほんで、少し不安そうな顔をして俺を見とるなまえの頭をわしゃわしゃと撫でて仲良くなり過ぎんなやというとコクりと頷いた。

それを見とった先輩等があの財前がっ…!とか騒いどるけど無視して弁当箱を開けた。ちゅーか、さすがになまえも変な事されん限りパニックとかにならんし、俺が近くにおるなら別に大丈夫やしな。



「せや!みょうじさん今日な、財前のヤツめっちゃ派手に転けたんやで!」

「どんな話題の振り方やねん!せやから、謙也はモテんのや!」

「うっさいわ!」

「み、見てました。赤い子に飛び付かれて…ですよね?」

「え、自分もしかして図書室から見てたん?」

「はい。あの…あなたが光くん追い掛けてるのも見てました。とっても楽しそうで…」

「ちょ、めっちゃ恥ずかしいやけど…え、どないしよ…あんなはしゃいどるとこ見られてたんか…」

「はしゃいどったんかい!」

「…うわ、謙也さんきしょい」



なんや知らんけど勝手に恥ずかしがって顔赤くして騒いどる謙也さんに引いとるとなまえになんて呼べばいいかわからない…と服を引っ張られた。

そんななまえに普通に先輩付けかさん付けで大丈夫やでと言うと、わかった…と頷いた。

まぁ、いくら自己紹介したからってほぼ初対面やしな。それになまえやし。


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