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暫くしてなまえが風呂から出てリビングに来たんやけど、俺がドライヤーのある場所教えるん忘れてて見事に髪の毛がびしょ濡れやった。まぁ、別に俺の部屋にもあるからええんやけど。
とりあえず、髪の毛もそうやけどいつものなまえならそろそろ眠いっていう時間やからもう俺等は寝るって事で、なまえがペコリと頭を下げておやすみなさいとオカン達に言うたの確認して俺の部屋に向かった。
「そこ座り、髪の毛乾かしたる」
「え、自分で出来るよ?」
「ええから、大人しくしとき」
部屋に着き、ドライヤーを持って来てゆっくりとベッドに座りなまえに前に座るように言うと少し頭を傾げながらもゆっくりと言われた通りに俺の前に背を向けて座った。
熱かったら言うように言ってからドライヤーのスイッチを入れてなまえの髪の毛を乾かす。
「なぁ、なまえ」
「ん、なに?」
「俺ん家で一緒に住む話、なまえはどう思っとるん?」
「…嬉しいよ。でも怖い」
「オトン?」
「…ううん。光くんや光くんの家族に嫌われるのが怖い」
「なんで嫌われると思うん?」
「あたしは、光くんや光くんの家族のみんなが思ってる程…綺麗じゃないんだよ」
今日の様子を見てた限り、そこまで問題は無さそうに思っとったからなまえが良ければ一緒にとか思っとった。
せやけど、やっぱりなまえはなまえなりに思うところがあったらしい。
どんだけ自分の事を汚れとるって思っとるんか知らんけど、少し悲しそうな声でそんな事を言いながらゆっくりと振り向くなまえにドライヤーのスイッチを切った。
「何がそないに綺麗やないん?」
「光くんは、あたしの体をちゃんと見た事ないから」
「ちゃんと?」
「あたし、今日…初めて自分の体を見たの」
「…風呂場の鏡か」
「凄く気持ち悪かった。だからこんな体で光くんと一緒にいられないと思った…嫌われたくないから」
「…………」
「でもね…それでも一緒にいたいっ…ごめんね。頑張って…見せない様にするから…」
あぁ…もうホンマにアホやなぁ。ちゅーか、可愛過ぎか。一緒にいたいとかサラッというなや…普通にドキッとしたやんけ。
目の前で泣いているなまえと視線を合わせる様にベッドから降りて、頭を撫でると顔を上げてごめんねと謝り出すなまえを抱き締めると余計に泣き出す。
あぁ…今日、泣き過ぎやろ。
「なまえは、俺がボロボロで傷だらけやったら嫌いになるん?」
「・・・・(ふるふる)」
「俺も同じやで。ちゅーか、そない言うなら見せてみ」
「…っ、わかった」
「ちょ、待て待て!ホンマに脱ぐなアホ!」
「…だ、だって…見せてみって…やっぱり嫌だよね…」
「あぁ…もうええよ。それでなまえの不安が減るなら見る。せやけど、下着は取ったらあかんからな」
俺の言葉に素直に頷くと鼻を啜りながら服を脱ぐなまえをジーっと見つめた。
…なんや、この新しいタイプの拷問。
ほんで、見せるのが怖いのか下着姿にはなったが服で体を隠しながら背を向けとるなまえを後ろから抱き締めるとビクッとなまえが反応する。
確かに、背中だけ見ても事故の傷痕やらDVの痕やらめっちゃあるけどそれを汚いとか気持ち悪いとは思えへんかった。
「めっちゃ好き」
「…光くんっ…」
「結局、泣くんかい」
「…あたしも光くんが好き」
…この状態でその発言はやめていただきたい。
ほんで、色々と辛いんですぐに服を着てもらってその後は、一緒にベッドで寝た。
なまえが一緒に寝れるの嬉しいとか言って、またしても拷問食らったけどなまえが嬉しいなら別にええわ。
※ベッド内
(光くん…温かい)
(せやなぁ)
(光くん…)
(なん?)
(ありがとう)
(ありがとうは一生分聞いた気ぃするわ)
(光くん…ぎゅーってしていい?)
(お、おう…ええけど)
(…光くんに触れられて嬉しい)
(せやったら、好きなだけぎゅーしてええよ)
(うん、ありがとう)
(せやから、何回ありがとう言うねん)
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