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ほんで、みょうじが大分落ち着いて来たからこの間オカンと話した事をみょうじに話した。



「あたしが、財前くんの家に…」

「いや、別に嫌やったらええねっ…」

「行く」

「え、ホンマに?ちゅーか、無理に俺に合わせんでええで?それに俺のオカンとオトン見るのも辛いやろ」

「ううん、財前くんのお母さんとお父さんだから大丈夫」

「どんな理由やねん」



だめかな?と頭を傾げるみょうじに別にええよと言うとよかったとそのまま大人しくしとるみょうじの頭を撫でた。

相変わらず、無表情で笑いはせんけど…最近のみょうじは、目が優しくなった気がする。

それに前に比べてよく話すようになった。まぁ、基本的に猫の事ばっかり心配しとるけど。



「財前くん」

「ん、なん?」

「今はね、好きだよ」

「また猫の話か?」

「ううん、今は財前くんの話」

「…ホンマ急やな」

「財前くんといると温かくて…生きてる気がするの」



あぁ…そういえば、最近"確認した"ってメール来てなかった気ぃするわ。

ゆっくりとみょうじの腕を取り、袖を捲ると古傷は相変わらずやけど真新しい傷はほとんどない。まぁ、まだ治り掛けの傷もあるからアレやけど。

せやけど、俺が辞める様に言うたからとかやなくて…自然とやらん様になったんか。



「あのね、動物病院の先生に聞いてみたの」

「なにを?」

「好きってなんですかって」

「…いや、聞く相手間違えとるで。ちゅーか、それ専門外やろ」

「そしたら先生は、一緒に泣いたり笑ったりしたくて…いつもその人の事を考えたりする様になって、何かしてあげたくなる事だって言ってた」



…結構真面目に答えとるし。

ちゅーか、最近はある程度普通に話せるようになっとるのは知っとったんやけど…そない話が出来る様にまでなってたんかい。

まぁ、動物病院の先生が女っちゅーんもあるんやろうけど。それにほぼ毎日、猫の様子見に行っとったしな。



「…あたし、ずっと母さんの事ばっかり考えてた」

「まぁ、せやろな」

「でも最近ね、そろそろ財前くん来るかなとか部活頑張ってるのかなとか考えるの」

「…おん」

「それでね、お汁粉作ったの。いつもジュース買う時にお汁粉ないって言ってたから。これって好きって事じゃないかな?」

「…俺に聞くなや」

「財前くん好きだよ」

「あぁ、もう…わかったからこっち見んなや」



…直球過ぎるやろ。
いや、まぁ…自覚してくれたんは嬉しいんやけど。

しかもお汁粉作ったって…なんやねん、それ。いつも豆腐とかもやししか買わへんクセに…それにいつの間に買い物行ったんや。

ちゅーか、あぁ…もうあかん、俺の為になんかしてくれたとかめっちゃ嬉しいんやけど。




※お汁粉タイム
(お汁粉どうかな?)
(めっちゃ美味い)
(よかった)
(次、白玉入れてや)
(白玉?わかった。明日作る)
(毎日作ってくれるん?)
(財前くんが食べたいなら)
(…ホンマに天然って怖いわ)
(うん?)
(後、名前で呼んでくれん?)
(光くん?)
(全く躊躇いなしか)

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