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あかん、めっちゃ泣きそう。
改めてみょうじが今まで遭った事や、今の状態を言葉に出すのが辛かった。
ほんで、全部話終わって自然とうつ向いとった俺が頭を上げるとオカンが軽く俺の頭を叩いた。
「なにすんねん!真面目に聞け言うたやろ」
「聞いとったわ、アホ。ほんで、光はどうしたいねん」
「一緒におりたい」
「なら、おればええやんか。確かにな、正直そない子が光の彼女言われてビックリしとるで?せやけど、真剣に好きなんやろ?」
「…真剣やなかったら話さんわ」
「光が自分から彼女の話すんの初めてやしな。まぁ…母さんは、光が本気で好きになった子なら別にどんな子やって反対はせぇへんよ」
「ほな、そいつん家に住んでもええ?」
「一人暮らしなんやっけ?ほな、家に置いたらええやんか。本気で一緒におりたいなら母さんは、別に構わへんで」
いや、ぶっ飛び過ぎや。
ちゅーか、もっと反対されると思っとったし。
それに家に置いたらええやんかって簡単に言うとるけど、みょうじがどないな子かちゃんと聞いとったんか?
別に暴れたりする訳ちゃうけど、無表情で愛想はないし。まともに話せるかも怪しいっちゅーねん。それにオトンにもまだ言うてへんやんか。
「オカン、ホンマに言うてるん?周りになんか言われるで」
「気にせん気にせん!そりゃあ、人殺しとるとか言われたら困るけどな、光が好きになった子やったら…きっとええ子や」
「めっちゃええ子やけど」
「なら別にええよ。まぁ、うちん家に住むんなら許すで」
「それは本人に聞かなわからんし。ちゅーか、めっちゃ無表情やし…まともに話せるかもわからんで?」
「とりあえず、今度の休みにでも連れて来てみ。父さんには母さんから言うといたるから」
…どないしよ。
思ってた以上にオカンが受け入れ体制過ぎて俺が付いて行けてへんわ。
ちゅーか、オカン…実は今までの話が嘘とか大袈裟に話しとるとか思ってるとかやないやろな。
そんな事を思いながらオカンを見るとバシッと結構な勢いで頭を叩かれて、頭がジンジンと痛む。
「冗談であんな話したんやったら本気で怒っとるわ。せやけど、あんな顔見せられたら冗談やないってわかるわ」
「どんな顔やねん」
「なっさけない顔しとったで」
「うっさいわ」
「ほな、さっさと風呂入って寝ぇや。明日も朝練あるんやろ」
「わかっとるわ」
とりあえず、オカンはホンマにみょうじを受け入れる気満々みたいで嬉しいような不安なような…微妙な気持ちやった。
せやけど、みょうじの事…否定されなくてホンマによかった。
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