打ち明けた想い (1/4)
あの後、みょうじが目を覚ましたんやけど…ショックからかなんなのかあの時の事を覚えてなくて、ただ凄く怖い夢を見たと言っていた。
まぁ、強ち間違ってへんし…無理に思い出させるのもアレやったから黙っといた。
せやけど、やっぱりどこかでなにをされたのか覚えとるみたいで、学校に父さんがいるとか言い出して暫く学校は休ませとる。
「…みょうじさんの様子どうなん?」
「一応、落ち着いとるッスけど家にひとりでおるんが嫌みたいですぐふらふらどっか行って困るッスわ」
「それ大丈夫なん?」
「心配やけど、家におるんが嫌なら動物病院に行くように言うといたんで」
「あぁ、猫助けたんやっけ。せやけど、その猫どないするん?飼う予定なん?」
「まぁ、その予定ッスけど」
それとあの日以来、先輩達がやたらとみょうじの事を聞いてくる様になった。まぁ、事情を知っとるのもあるんやろうけど前みたいに変に突っ掛かって来る訳ちゃうから、全然ええけど。
それにオサムちゃんにみょうじについて色々と話聞いて、今回の事もそうやけど真剣にみょうじとも話そうかと思っとる。
まぁ、みょうじが嫌や言うたら意味ないんやけど。それにまず、みょうじの前にクリアせなあかん問題もあるしな。
「相変わらず、変な噂は流れとるけど…財前は大丈夫なんか?」
「別に慣れとるんで。むしろ、みょうじの事で騒がれないなら別にええッスわ」
「その辺はオサムちゃん達、教師が口止めしたみたいやしな。せやけど、理由が財前の彼女やからって…」
「キャーキャー騒がれとる分、それなりにテニス部は恨み買っとるからな」
「まぁ、一番騒がれとるん白石部長ッスけどね。せやけど、さすがにもうみょうじに手出すアホはおらんと思いますけど」
「…そりゃあ、あんだけ派手に暴れたんが財前やって聞いたら手出さんやろ」
まぁ、手加減せんで殺す気で殴って全員病院送りにしたん俺やしな。
正直、被害届でも出されるかと思っとったら、みょうじにした事を公にせん代わりにあっちも被害届を出さんっちゅー話になったらしい。
まぁ、婦女暴行って公になったら困るんはあっちやしな。俺の場合も殺す気で殴ったし過剰正当防衛で済まなそうやったけどな。
んで、そいつ等は逃げる様に学校を辞めたんやけどその原因が俺って噂になってる感じやな。まぁ、強ち間違ってへんし。ちゅーか、また顔見たら殴り掛かりそうやし辞めてくれてよかったわ。
婦女暴行については、伏せとるから周りからしたら俺にボコられて学校辞めたとしか思わんしな。
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