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…もう、なんやねん。



「ちゅーか、白石も謙也もみょうじとまともに話した事ないんやろ?言うとくけどな、みょうじはお前等が思っとる様な子ちゃうで」

「せ、せやけど!」

「みょうじは、親おらんから会えば調子どうなん?程度に話し掛けるようにしとったんやけど、なんて言うたと思う?」

「あたしに話し掛けると先生が悪く言われるから、話し掛けんなやろ」

「さすが財前。教師と寝て成績がええとか噂あったからやろうけど、白石や謙也が心配しとる様なヤツやったら俺は今頃みょうじにべったり付きまとわれとるはずやで」



多分、白石部長も謙也さんもみょうじが俺に依存するとかちょっと関わったら逃げられなくなるとか思ってたんやろ。

むしろ、逆やねん。

最初からみょうじは俺に関わらない様にしとったし、自分から俺になんかアクションをして来た事なんて程々ない。

せやから、俺の方がみょうじに依存しとると思う。みょうじがおらんと不安やし。



「とりあえず、学校側はみょうじに親がおらんから騒ぎにはせん方がええ言うとるみたいやけど」

「せんでええッスわ」

「まぁ、みょうじ本人もそう言いそうやしな。とりあえず、怪我はないみたいやし送るわ。財前はどないする?」

「一緒に行くッスわ」

「ほな、車準備して来るからみょうじ連れて来てや。財前ならパニックになってもどうにか出来るやろ」

「すぐ連れて行きますわ」



そしてオサムちゃんが部室から出てったのを見送ってからゆっくりとみょうじの元に向かった。

未だに気を失ったままピクリとも動かないみょうじに不安になりつつ、ゆっくりと抱き抱えて立ち上がる。

相変わらず、白石部長と謙也さんは俺になんか言いたそうな顔しとるけど…。

ゆっくりとオサムちゃんが出て行った後を追うように部室のドアに向かう。



「先輩等がそない心配せんでもちゃんと考えとるッスわ」

「財前…」

「せやけど、みょうじに拒否られたら慰めるくらいして下さいよ」

「…おん、ぎゅーってしたるわ!」

「…キモいんでそれはええッスわ」

「なんでやねん!」

「…なんや、色々言うてすまんかったな。ほな、落ち着いたら連絡してな」

「ハッ、先輩等が口煩いんは今に始まった事ちゃうし。まぁ、連絡はするんでほなまた」



まだ白石部長は、完全に納得しとらんみたいやったけどそんだけ心配してくれとるって思うといた。

ほんで、軽く先輩等に頭下げてから部室を出た。





(それにしても、財前がなぁ)
(それ言うたらオサムちゃんも気にしてたやん)
(俺は、1年の時に担任やったからな)
(1年の時からこないな感じやったん?)
(せやなぁ。いつもひとりでおったな)
(なぁ、オサムちゃん)
(おー、なんや?)
(みょうじはひとりがええんかな)
(さぁ、どうやろなぁ。せやけど、俺は拒否られたで)
(オサムちゃん、みょうじに迫ったん?)
(アホ、飯一緒に食うか言うたくらいや)
(いや、生徒にそれはあかんやろ)

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