どうしてと嘆く (1/4)


一応、みょうじが彼女になった訳なんやけど。今まで通りで特に何かが変わったとかはない。

ちなみに無理矢理彼女にした訳ちゃうからな。付き合うんか聞いたらみょうじが財前くんの好きにしてええ言うたからや。下手に勘繰られるくらいなら付き合ってるって言えた方がええし。

んで、今日も相変わらず授業をサボっとるらしくみょうじは席におらん。まぁ、サボるいうてもどうせ校舎裏やしな。


次は、俺もサボったろうかなーとか思いながら教師の話を聞き流しとるとポケットのスマホが震え出して、机の下でスマホを開く。

その瞬間、バッと立ち上がり授業中なのも忘れて教室から飛び出して校舎裏に走った。

珍しくみょうじからのメールでそこには"助けて"という文字だけやった。



「みょうじ!」

「…財前くん」

「っ…おま、なんやそれ」

「この子…死んじゃう。たすけて…」



校舎裏に着くとそこには血塗れのみょうじが泣きながら立っとって…その腕の中にはみょうじ以上に血塗れの猫がおった。

ちゅーか、助けてってお前の事やないんかい。あぁ、もう…ホンマに心臓に悪いわぁ…。せやけど、そない呑気な事いうとる場合ちゃうわ。

とりあえず、近くの動物病院をスマホで調べてみょうじに付いてくる様に言うて病院へと急いだ。


―――
――――
―――――


ほんで、病院に猫を預けてから今度はみょうじを病院に連れて行く。というのも、こいつの腕に思いっきり犬かなんかに噛み付かれた痕があんねん。

詳しくは知らんけど、野良犬とかに噛まれたら病院行けって謙也さんが言うとったのを思い出して、急いで連れてきた。

んで、傷事態は深くもないし大丈夫そうやけど、万が一って事もあるって予防ワクチンを接種して貰った。

ちゅーか、右腕は比較的に綺麗なんやな。まぁ、思いっきり煙草かなんか押し当てられた痕みたいなんあるけどな。

ほんで、みょうじの診察が終わって動物病院の方に戻ると猫の方もどうにか無事だったみたいで安心した。



「ちゅーか、学校飛び出して来てもうたやんけ」

「ごめんね」

「とりあえず、俺は学校戻るけどみょうじはどないする?別に家におってもええけど」

「行く」

「ほな、1回家行って着替えてからやな。さすがにその格好で戻れへんし」

「わかった」



ほんで、みょうじん家で着替えてすぐに学校に戻った。まぁ、普通に昼休みになっとったけど。

とりあえず、猫は何日か入院せなかあかんらしいから帰りにまた様子を見に行く事にした。


prev|next

[戻る]