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周りのヤツに自分がなに言われても気にせん癖になんで俺の事には反応すんねん。



「あたし…財前くんに不幸になって欲しくない」

「ならん言うたやろ」

「でも財前くんは優しいからって書いてあったよ」

「んなの信じんな、アホ。ちゅーか、お前は俺と居りたいんか居りたくないんかどっちやねん」

「……………」

「周りとかどうでもええから言うてみ。俺は、お前がどう思っとるんかの方が重要やし」



こいつの本音が聞けたと思ったら、関わらないで欲しいとか言われて正直今の俺めっちゃ腹立っとるからな。

結局、自分より周り気にしてお前の気持ちどこ行ってんねん。ちゅーか、言うなら一緒におれて嬉しいだけでええやんか、なんで勝手に過去形にしてんねんこいつ。

俺が関わらんくなるんは決定事項なんか。

ほんで、イライラしながらみょうじを見るとみょうじが泣いてた。



「泣く程、嫌なんか」

「…違う。あたし、あたしは…」

「ちゃんと言うてみ、自分の気持ち」

「あたしは財前くんといるのが怖かった。でも財前くんは温かくて…なにも言わないで傍にいてくれて…でもそれが嬉しかった」

「……………」

「でも一緒にいたいって思っちゃだめで…財前くんは悪くないの」



つまり、今まで誰も関わって来なかったんに俺が急に現れて怖かったんか。せやけど、一緒に居りたくない訳やないと。

いや、むしろ一緒に居りたいけど言わへんでおった感じやんけ。こいつ常に無表情やし、わかり難過ぎやねん。なんやったら、俺に無理して付き合ってるんかと思っとったわ。

ただ誰かになんか言われたら断れへんだけやと思っとったけど、なんやねん…こいつ。

んで、俺になんでか謝り出すみょうじの頭を軽く撫でればゆっくりと顔を上げる。



「ほな、俺が傍におっても嫌やないんやな?」

「嫌じゃない」

「ほな、俺が傍におりたい言うてもやな?」

「嬉しい」

「なんでそこは素直やねん。ほな、みょうじは俺と一緒におりたいん?」

「うん」

「なら、もう周りとか気にせんでええわ。俺の言った事だけ信じてればええ」



なんやねん、この誘導尋問みたいな会話。せやけど、俺の言葉に素直に頷くみょうじはやっぱり無表情やけど…少しだけ嬉しそうな顔をしてる気がした。

ちゅーか、今更やけどこれ告白し合っとるみたいやんけ。

…あかん、これ俺も知らん内に好きなってたパターンやんけ。それなら、みょうじをメンドイって思わんのも納得やし。白石部長と謙也さんにイライラしとったんも、みょうじを悪く思っとるみたいでなんも知らんくせに的な感じやったし。

とりあえず、みょうじにも聞かんとあかんやんか。んで、一緒におるんはええけど嫌いとか言われたら笑えないけどな。





(なぁ、みょうじ)
(………?)
(好きか嫌いかどっちやねん)
(なにが?)
(俺の事や、アホ)
(…わからない。でも嫌いじゃないよ)
(…まぁ、今はそれで十分や)
(…財前くんは嫌い?)
(好きやけど?)
(…どうして?)
(人の告白をどうしてで返すなや)
(ありがとう)
(マイペースか)

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