今はそれでいい (1/4)


みょうじと一緒に昼飯を食うようになって1週間が経った。なんや知らんけど、未だに白石部長が無駄に突っ掛かって来るけど無視しとる。

ちゅーか、俺の勝手やし。



「みょうじ、授業は?」

「出る」

「ほな、行こか」

「うん」

「ふらふらどっか行かんで、ちゃんと付いて来いや」

「うん、行く」



ほんで、前よりもみょうじが俺に対して反応してくれる様になった。相変わらず、ボーッとしとるけどそれでも前に比べたら全然ええ。

それに毎朝、確認のメールもちゃんと寄越す様になったし。まぁ、"確認した"しか来うへんけどな。ちなみに公園におる時は、"公園"だけやったりする。

せやけど、メールが来る度にどこか安心しとる。それに公園には俺ん家からも遠くあらへんし、すぐに行けるしな。


そんな事を思いながら廊下を歩いとると前から見慣れたひよこ頭が走って来て、少し溜め息を吐きながらゆっくりと立ち止まる。



「財前ー!財前財前ざいぜーん!」

「…大声で人の名前連呼すんのやめてもらえます?ちゅーか、うっさいッスわ」

「どこに行ってたっちゅー話や!めっちゃ探したわ!」

「メールすればええやないですか。で、なんの用ッスか?」

「せやった!今日、部活休みになったわ!せやから、みんなで放課後遊びに行かへん?って話になってん」



ほーん…なんで急に部活が休みになったんかは知らんけど、みんなで遊びに行かへんって相変わらず暇人の集まりやなぁ。

ちゅーか、謙也さんが喧しくて忘れてたけどみょうじがおるかチラリと後ろを見るとボーッと窓の外を見ながらもええ子に待っとった。

んで、謙也さんもみょうじがおる事に気付いたのか少し険しい顔をした。

…白石部長と謙也さんがなにをそんなにみょうじを警戒しとるんか知らんけど、悪い噂が全部嘘やって知っててこの態度とかやっぱり気分悪いわ。



「俺は、パスッスわ」

「みょうじさんと帰るん?」

「せやったらなんなんスか?」

「財前、自分の行動にはちゃんと責任持ちや」

「…なんの事ッスか?」



俺の問いに謙也さんが答える事はなくて、ほな白石達には俺から言うとくわと軽く手を上げると何事もなかったかの様に走り去って行った。

…訳わからんわ。

とりあえず、ボーッとしたままええ子に待っとるみょうじに行くでと声を掛けるとコクりと頷いてゆっくりと俺の後を付いて来るみょうじに今日俺と一緒に帰るかを聞いたら頭を傾げとった。


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